ヒゲ脱毛に麻酔は必要?種類・費用・効果の目安と使えないケースを解説
ヒゲ脱毛の痛みが気になり、麻酔を使うべきか迷う方は少なくありません。
医療脱毛では麻酔を選べる医療機関がありますが、麻酔は必ず使うものではなく、使えば痛みがまったくなくなるわけでもありません。
この記事では、ヒゲ脱毛で用いられる麻酔の種類と使い方、費用の考え方、起こることがある症状、使用が難しいケースまでを整理します。
この記事の要約
- ヒゲ脱毛の麻酔は必須ではなく、冷却や出力の調整だけで施術を受ける方もいます。
- 医療機関では塗る麻酔クリームと吸入する笑気麻酔が用いられ、使えるかどうかは診察で判断されます。
- 麻酔を使っても痛みがまったくなくなるとは限らず、感じ方には部位による差と個人差があります。
- 麻酔の使用は医療行為であり、塗った部位の赤みやかゆみなどが起こることがあります。
- 医療脱毛は自由診療のため、麻酔が施術料金に含まれるかどうかは医療機関ごとに異なります。
ヒゲ脱毛で麻酔は必要に応じて使う
ヒゲ脱毛で麻酔を使うかどうかは、痛みの感じ方や照射する範囲に応じて決めるもので、全員に必要なものではありません。冷却や出力の調整だけで施術を受けている方もいます。
ヒゲは毛が太く密集しているうえ、鼻の下やあごなど皮膚が薄く骨に近い部分もあるため、他の部位より痛みを感じやすいとされます。ただし、同じ機器と設定でも感じ方は人によって異なり、同じ人でも部位によって差が出ます。この個人差と部位差は、麻酔を検討するうえでの前提になります。
また、麻酔の使用は医療行為です。医薬品を用いる以上、体質や持病、服用中の薬によっては使用できないことがあり、実際に使えるかどうかは医師の診察を経て判断されます。「痛みが不安だから当日に麻酔を追加したい」と考えている場合も、事前のカウンセリングで相談しておくと流れがはっきりします。
ヒゲ脱毛で使われる麻酔の種類
医療脱毛で用いられる麻酔には、皮膚に塗るタイプと、鼻から吸入するタイプがあります。作用のしかたも準備にかかる時間も異なるため、それぞれの特徴を分けて理解しておくと、カウンセリングでの相談がしやすくなります。
| 種類 | どのように使うか | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 麻酔クリーム | 照射する部位の皮膚に塗り、一定時間おいてから施術する | 塗布する範囲と時間、当日の来院時間 |
| 笑気麻酔 | 専用の器具を用いて鼻から吸入しながら施術を受ける | 吸入できる体調かどうか、施術後の過ごし方 |
どちらを使えるか、また併用できるかは医療機関の方針と診察結果によって変わります。
麻酔クリーム(塗る麻酔)
麻酔クリームは、照射する部位の皮膚に塗り、一定時間おいてから施術を行う方法です。国内では、リドカインとプロピトカインを配合したクリーム剤が「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」などを効能・効果として承認されています。
この製剤の用法として、成人では照射予定部位に10cm²あたり1gを密封法により60分間塗布し、1回あたりの塗布量は10gまで、塗布時間は120分を超えないこととされています。範囲が広いほど準備に時間がかかるため、当日の滞在時間にも影響します。実際の塗布量や時間は、使用する製剤と照射範囲によって医師が判断します。
塗った部位に働く麻酔であり、全身に効くものではありません。また、同じような効果を求めて市販品や個人輸入品を自分で購入して使うことは勧められません。用量や塗布範囲を誤ると全身に影響する症状につながることがあり、医療機関の管理のもとで使うことが前提です。
笑気麻酔(吸入する麻酔)
笑気麻酔は、亜酸化窒素という気体を酸素と混ぜて鼻から吸入し、緊張や不安をやわらげた状態で施術を受ける方法です。国内では医療用の液化亜酸化窒素が医薬品として承認されており、医師の管理のもとで用いられます。
意識がなくなる麻酔ではなく、施術中も会話ができ、痛みや体調の変化があればその場で伝えられます。吸入をやめると比較的短時間で通常の状態に戻るとされますが、戻り方には個人差があります。
一方で、鼻づまりがあると十分に吸入できないことがあり、呼吸器や耳鼻科領域の状態によっては使用が難しい場合もあります。使えるかどうかは自己判断せず、診察時に持病や当日の体調を伝えたうえで確認してください。
ヒゲ脱毛で麻酔を使う場合の流れと所要時間
麻酔を使う場合、使わない場合と比べて当日の流れに準備の工程が加わります。予約時間そのものより、院内で過ごす時間が長くなる点をあらかじめ見込んでおくと予定を立てやすくなります。
- 受付後に体調や服薬状況を確認し、当日の施術内容を相談する
- 麻酔を使う場合は、クリームの塗布や吸入の準備を行う
- 麻酔クリームの場合は、必要な時間をおいてから拭き取る
- 照射を行い、途中で痛みが強ければその場で伝える
- 施術後の状態を確認し、当日の過ごし方の説明を受ける
麻酔クリームは塗布に時間が必要なため、その分だけ滞在時間が長くなります。笑気麻酔は準備そのものは短いものの、施術後に少し休んでから帰る場合があります。所要時間は照射範囲、使用する麻酔、医療機関の運用によって変わるため、固定の時間として考えず、予約時に目安を確認しておくと安心です。
ヒゲ脱毛の麻酔で痛みはどこまで抑えられるか
麻酔を使う目的は、痛みをゼロにすることではなく、施術を続けられる範囲まで和らげることにあります。痛みがまったくなくなると保証できるものではない点は、最初に押さえておきたいところです。
麻酔クリームは塗った皮膚の表面に働くため、皮膚の浅い部分で感じる鋭い痛みは和らぎやすい一方、奥から響くような感覚が残ることがあります。笑気麻酔は痛みの感覚そのものを消すというより、不安や緊張をやわらげて痛みを受け止めやすくする方向に働くとされます。
なお、競合する情報では「痛みが何割減る」といった数値が紹介されていることがありますが、条件のそろった根拠を確認できないため、本記事では数値を示していません。効き方は塗布時間、照射する部位、毛の状態、その日の体調などによっても変わり得ます。
施術中に痛みが強いと感じたときは、我慢し続ける必要はありません。出力を下げる、冷却を強める、照射の順序を変えるなど、その場で取れる対応があります。
ヒゲ脱毛の麻酔のリスクや注意点
麻酔は医薬品を使う処置であるため、利点だけでなく起こり得る症状も知ったうえで選ぶことが大切です。頻度が明確でないものもあるため、ここでは「起こることがある」という前提で整理します。
- 麻酔クリームを塗った部位の赤み、かゆみ、かぶれなどの皮膚症状
- 吸入中や吸入後の気分の悪さ、ふらつき、眠気
- 薬剤の成分に対するアレルギー反応
- 血液中のヘモグロビンに関わる症状など、まれに報告されている全身性の反応
麻酔クリームの製剤については、製造販売業者が公表している医薬品リスク管理計画書で、メトヘモグロビン血症、ショックやアナフィラキシー、意識障害・振戦・痙攣が重要な特定されたリスクとして挙げられています。日常の施術で必ず起こるものではありませんが、決められた量と時間を守る必要がある理由がここにあります。
また、笑気麻酔を使った日は、ふらつきや眠気が残ることを考えて、施術後の運転や予定を調整する必要がある場合があります。当日の具体的な指示は医療機関によって異なるため、施術先の説明に従ってください。
ヒゲ脱毛の麻酔が使えないケース
体質や治療中の病気によっては、麻酔の使用を見合わせたり、内容を変えたりすることがあります。次のような状況に当てはまる場合は、カウンセリングの段階で必ず伝えてください。
- 麻酔薬や外用薬でアレルギー症状が出たことがある
- 心臓、呼吸器、肝臓、腎臓などに治療中の病気がある
- 常用している薬やサプリメントがある
- 妊娠している、妊娠している可能性がある、授乳中である
- 施術部位に傷、湿疹、強い炎症、日焼け直後の状態がある
- 当日に発熱や体調不良がある
これらに当てはまるからといって、必ず麻酔が使えないわけではありません。逆に、当てはまらないから問題ないと自分で判断できるものでもありません。可否の最終的な判断は診察で行われるため、迷う点は伝え漏らさないことが大切です。
ヒゲ脱毛の麻酔にかかる費用の考え方
医療脱毛は自由診療にあたり、公的医療保険は使えません。料金は医療機関がそれぞれ設定しているため、麻酔の費用も一律ではない点を前提に確認していきます。
麻酔の費用は、施術料金に含まれている場合と、別料金として加算される場合があります。別料金の場合も、1回いくらという形か、範囲や本数で変わる形かは医療機関によって異なります。回数を重ねる施術なので、1回分だけでなく、コース全体で見たときにいくら増えるかを確認しておくと判断しやすくなります。
- 麻酔が施術料金に含まれるか、別料金か
- 別料金の場合、1回あたりの金額と算定の単位
- 毎回使う場合にコース全体でいくら加算されるか
- 当日に麻酔を追加できるか、その場合の手続き
国民生活センターは、美容医療の相談が増えているとして、その場で契約を決めずに検討することや、リスクと副作用の説明を受けること、総額を確認することを呼びかけています。カウンセリング当日に急いで決めず、追加費用まで含めた総額を書面で確認してから判断してください。
麻酔以外にヒゲ脱毛の痛みを抑える方法
痛みへの対応は麻酔だけではありません。医療機関側で調整できることと、受ける側で準備できることの両方があります。
施術中は、照射前後の冷却を強める、出力を下げて照射する、痛みの強い部位を後半に回すといった調整が行われます。照射方式によっても感じ方は変わるとされ、瞬間的に強い熱を加える方式と、低めの出力で温度を上げていく方式では痛みの質が異なります。方式ごとの違いは別記事で詳しく扱っているため、ここでは概要にとどめます。
受ける側でできることとしては、前日までに指定された方法で剃毛を済ませておくこと、日焼けを避けること、施術前後の保湿を続けること、睡眠不足や体調不良の日を避けることが挙げられます。肌が乾燥していたり炎症があったりすると、刺激を強く感じやすくなります。
ヒゲ脱毛で麻酔を使うか迷ったときの判断材料
最初から必ず麻酔を使うと決める必要はありません。実際の感じ方は受けてみないと分からない部分があるため、段階的に考える方法もあります。
たとえば、初回は麻酔を使わずに受けて痛みの程度を確かめ、次回以降に必要と感じた部位だけ使うという進め方があります。鼻の下やあごなど痛みが強く出やすい部位に限って使う方法も、費用と負担のバランスを取りやすい選び方です。
一方で、痛みが強いまま我慢を続けると、途中で通院が止まってしまうことがあります。医療脱毛は複数回の照射を前提とするため、続けられる状態を保つことも判断材料の一つです。なお、痛みが強いほど効果が高いという関係が確認されているわけではないため、無理をする理由にはなりません。
施術中でも「痛みが強い」と伝えてかまいません。伝えたうえで設定を調整するのは通常の対応であり、遠慮する必要はありません。
ヒゲ脱毛に関するよくある質問
ヒゲ脱毛の麻酔について、本文で扱いきれなかった疑問をまとめました。個別の可否は診察によって変わります。
麻酔クリームは市販のものを使ってもよいですか?
自分で購入した製品を施術前に使うことは勧められません。塗る量や範囲、時間を誤ると、全身に影響する症状につながることがあります。個人輸入した医薬品は品質などの確認がされておらず、健康被害が生じても公的な救済制度の対象にならない場合があります。麻酔が必要かどうかは、施術を受ける医療機関に相談してください。
麻酔を使っても痛い場合はどうすればよいですか?
施術中であれば、その場でスタッフや医師に伝えてください。出力の調整や冷却の強化、照射の進め方の変更など、対応できることがあります。麻酔の効き方には個人差があり、部位によっても差が出ます。次回以降の設定を見直す材料にもなるため、我慢せずに共有することが大切です。
麻酔は毎回使う必要がありますか?
毎回使う決まりはありません。回数を重ねると毛の量や太さが変化し、痛みの感じ方が変わることもあります。そのつど必要かどうかを相談し、使う部位を絞る形にすることもできます。費用や当日の所要時間にも関わるため、通いやすさも含めて医師と相談してください。
まとめ
ヒゲ脱毛の麻酔は、痛みが不安な方にとって選択肢の一つですが、全員に必要なものではありません。冷却や出力の調整だけで受けている方もいれば、痛みが強く出やすい部位だけ使う方もいます。使えるかどうかは体質や持病、服用中の薬によって変わり、診察を経て判断されます。
見落としやすいのは、麻酔を使っても痛みがまったくなくならない場合があること、そして麻酔そのものにも赤みやかゆみなどの症状が起こり得ることです。医療脱毛は自由診療のため、麻酔が施術料金に含まれるかどうかも医療機関ごとに異なります。1回分だけでなく、コース全体での総額を確認してください。
痛みの感じ方には個人差があります。無理なく続けられる方法を医師と相談しながら決めていきましょう。
参考・出典
PMDA 医療用医薬品情報 エムラクリーム(リドカイン・プロピトカイン配合剤) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/1219800N1023?user=1
PMDA エムラクリーム・エムラパッチに係る医薬品リスク管理計画書 https://www.pmda.go.jp/files/000240515.pdf
PMDA 医療用医薬品情報 液化亜酸化窒素 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/1116700X1053?user=1
国民生活センター 増加する美容医療サービスのトラブル(2023年8月30日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230830_1.html