切らない包茎手術は、メスを使わずに糸で包皮を固定する方法で、傷跡が残りづらく短時間で施術できるのが特徴です。ただし効果は半年から1年程度の一時的なもので、軽度の仮性包茎にしか適用できません。根本的な治療を求める方には切る手術（切開術）が適していますが、手術への恐怖心が強い方のお試し治療としては有効な選択肢となります。

切らない包茎手術とは？仕組みと種類を解説

切らない包茎手術について検討している方の多くは、「本当にメスを使わないのか」「どんな仕組みで包茎が改善するのか」という疑問を持っているはずです。まずは治療法の基本的な仕組みと、クリニックで提供されている種類について詳しく見ていきましょう。

糸で固定する埋没法の仕組み

切らない包茎手術で最も一般的な方法は埋没法と呼ばれる技術です。これは医療用の特殊な糸を使って、余った包皮を陰茎の根元に固定することで、亀頭が常に露出した状態を作り出す施術です。

具体的には、長袖のシャツの袖をまくり上げて、肘のあたりで糸で留めるようなイメージです。包皮自体を切除するわけではないため、施術時間は10〜30分程度と非常に短く、局所麻酔のみで行えます。また、糸は皮下に埋め込まれるため、外から見えることはありません。

ただし重要なのは、この方法が適用できるのは余剰包皮が少ない軽度の仮性包茎のみという点です。包皮の先端が狭くなっている真性包茎やカントン包茎の方には使用できません。

その他の切らない治療法の特徴

埋没法以外にも「切らない」と謳われる治療法がいくつか存在しますが、それぞれ目的や効果が異なることを理解しておく必要があります。

長茎術

長茎術は、体内に埋もれている陰茎部分を引き出して固定する施術です。ペニスの見た目の長さが増すことで、結果的に包皮の被りが浅くなる効果が期待できますが、これは副次的な効果であり、包茎治療が主目的ではありません。

亀頭増大術

亀頭増大術は、亀頭にヒアルロン酸などの充填剤を注入して大きくする方法です。亀頭が大きくなることで包皮が戻りにくくなりますが、こちらも本来は亀頭のサイズアップが目的の施術です。

市販の矯正器具

市販の矯正器具を使った方法もありますが、医療行為ではないため効果は不確実です。自己判断で使用すると、皮膚を傷つけたり、傷が治る過程で包皮が硬くなったりして、かえって症状を悪化させる危険性があります。

切らない手術が選ばれる理由

多くの男性が切らない包茎手術を選ぶ最大の理由は、メスへの恐怖心です。包茎の悩みを解決したいと思っていても、デリケートな部分にメスを入れることへの心理的抵抗は非常に大きいものです。

また、仕事の都合でまとまった休みが取れないという方も少なくありません。切る手術の場合、完全に回復するまで2週間から1ヶ月程度かかりますが、切らない手術なら数日で日常生活に戻れます。

さらに「まずは試してみたい」という方にとって、元に戻せるという点も大きな魅力です。糸を抜去すれば元の状態に戻るため、切る手術を受ける前のトライアルとして利用する方も多くいます。

切らない包茎手術のメリット・デメリット

切らない包茎手術を検討する上で最も重要なのは、メリットとデメリットの両方を正しく理解することです。特にデメリットを知らずに施術を受けると、期待した効果が得られず後悔することになりかねません。

5つの主なメリット

切らない包茎手術には、切る手術にはない独自のメリットがあります。

まず最大のメリットは傷跡が残らないことです。糸を通すための針穴はできますが、これは時間とともに消えてしまい、手術したことが誰にも分からない状態になります。温泉やサウナなどで他人の目を気にする必要がありません。

次にダウンタイムの短さも大きな利点です。術後の腫れや痛みが少なく、多くの場合は当日からシャワーが可能で、2〜3日で通常の生活に戻れます。仕事を長期間休む必要がないため、社会人にとって非常に受けやすい治療法といえます。

施術時間の短さも魅力的です。カウンセリングから施術完了まで1時間程度で終わることが多く、仕事の合間や休日を利用して気軽に受けられます。

費用面では、初期費用が比較的安価に設定されているクリニックが多く、5万円から20万円程度が相場です。切る手術と比べると経済的なハードルが低いといえるでしょう。

最後に、やり直しがきくという安心感があります。仕上がりに満足できなかったり、違和感が続いたりした場合は、糸を抜去することで元の状態に戻せます。

知っておくべき重要なデメリット

一方で、切らない包茎手術には無視できないデメリットも存在します。

最も大きなデメリットは効果が一時的であることです。性行為や日常生活での物理的な負荷により、固定した糸が緩んだり切れたりして、半年から1年程度で元の状態に戻る可能性が高いです。

そのため定期的な再施術が必要となり、長期的には高額になることもあります。

また、適用できる症例が限定的という問題もあります。余剰包皮が多い方や、真性包茎・カントン包茎の方には使用できません。無理に施術を行うと、包皮が戻らなくなる危険な状態（カントン状態）に陥るリスクがあります。

見た目の問題として、不自然なシワやたるみができる可能性があります。包皮を寄せて固定するため、根元に余った皮膚が溜まり、見た目が不自然になることがあります。

衛生面では、余分な包皮自体がなくなるわけではないため、恥垢が溜まりやすい状態は改善されません。根本的な衛生問題の解決にはならないことを理解しておく必要があります。

さらに、糸で固定しているため違和感や突っ張り感を感じることがあります。特に勃起時や激しい運動時に、つっぱるような感覚や何かに摘ままれているような違和感が続く場合があります。

切る手術との比較で見えてくる違い

切らない手術（埋没法）と切る手術（切開術）を比較すると、それぞれの特徴がより明確になります。

つまり、切らない手術は「根本的な治療」というよりは、「お試し」や「一時的な改善」という位置づけで考えるのが適切です。将来的に切る手術を検討している方が、まずは仕上がりをイメージするために受けるケースも多くあります。

切らない包茎手術で失敗しないクリニックの選び方は？

切らない包茎手術は手軽に受けられる分、安易なクリニック選びで後悔するケースも少なくありません。

信頼できるクリニックの4つの特徴

では、どのようなクリニックを選べば良いのでしょうか。以下の4つのポイントをチェックしてください。

• 医師によるカウンセリング：専門知識のないカウンセラー任せにせず、医師が直接診察し、あなたの状態に合った治療法を提案してくれることが重要です。症例数が豊富な医師であればさらに安心です。
• デメリットの説明：「効果は一時的である」「あなたの症状には向いていない」といったネガティブな情報も隠さず伝えてくれるクリニックは誠実だといえます。
• 明確な料金体系：診察料、麻酔代、薬代、アフターケア代などが全て含まれた総額を事前に提示してくれることを確認しましょう。後から追加料金を請求されるトラブルを避けられます。
• 充実したアフターケア：術後に痛みや腫れが続いた場合の対応、糸が切れた場合の保証など、万が一のトラブルに対する体制が整っているかを確認してください。

カウンセリングで確認すべきこと

実際にカウンセリングを受ける際は、以下の点を必ず確認しましょう。

まず自分の症状に適用できるかを聞いてください。包皮の余り具合や包皮口の狭さによっては、切らない手術では効果が期待できない場合があります。無理に施術を勧めてくるようなら、そのクリニックは避けるべきです。

次に効果の持続期間について具体的に質問しましょう。「永久に効果がある」と言われたら、それは誤った説明です。正直に「半年から1年程度」と答えてくれるクリニックを選んでください。

リスクと対処法についても詳しく聞いておきましょう。感染症のリスクや、糸が切れた場合の対応、違和感が続いた場合の処置など、具体的な対処法を説明してもらえるか確認します。

最後に他の治療法との比較も重要です。切る手術との違いや、あなたにとってどちらが適しているかを、押し付けではなく客観的に説明してくれるクリニックが理想的です。

アトムクリニックの切らない包茎手術の特徴

ここまで一般的な切らない包茎手術について解説してきましたが、最後に私たちアトムクリニックが提供する治療について紹介させていただきます。

試行錯誤を重ねた糸固定技術による施術

アトムクリニックでは、長年の試行錯誤と改良を重ねて完成させた糸固定技術を採用しています。これは単純に糸で留めるだけでなく、解剖学的に無理がなく、かつ効果が長持ちするように縫い方を工夫した方法です。

具体的には、包皮の余り具合や皮膚の厚さ、陰茎のサイズなどを総合的に判断し、一人ひとりに最適な固定位置と角度を決定します。これにより、不自然なシワやたるみを最小限に抑え、より自然な仕上がりを目指しています。

施術時間は約30分で、局所麻酔のみで行います。シャワーは当日から可能で、性行為も2週間後から再開できるため、日常生活への影響を最小限に抑えられます。

料金

アトムクリニックの切らない包茎手術（包茎MTトライアル）は税込69,800円です。この料金には基本治療費、通常麻酔（局所麻酔）、アフターケア、検診料がすべて含まれています。

施術前にご理解いただきたいこと（デメリット）

アトムクリニックでは、患者様との信頼関係を何より大切にしています。そのため、施術の良い面だけでなく、限界についてもしっかりお伝えすることを診療方針としています。

効果の持続期間について

先ほどご説明した通り、切らない包茎手術の効果は永久ではありません。個人差はありますが、効果の持続は半年から1年程度が目安です。性行為の頻度が高い方や、激しい運動をされる方は、より短期間で効果が薄れる可能性があります。

施術の対象について

切らない包茎手術は全ての方に適用できるわけではありません。包皮の先端が狭くなっている真性包茎やカントン包茎の方、肥満により陰茎が埋没している方は、効果が出にくいかリスクを伴うため適用外となります。

根本解決への考え方について

根本治療は切る手術（切開術）が最善です。アトムクリニックの最終的なゴールは患者様の悩みを一生涯なくすことです。そのため、悩みを根本的に解決したい方には、最初から切る手術をお勧めすることもあります。

カウンセリングでは、シミュレーションで術後のイメージをお見せしながら、あなたの状態に本当に適しているのかを正直にお話しさせていただきます。無理に契約を勧めることは一切ありませんので、安心してご相談ください。

よくある質問

切らない包茎手術は保険適用されますか？

保険は適用されません。全額自己負担の自由診療となります。

施術後どれくらいで普通の生活に戻れますか？

多くの場合、2〜3日で日常生活に戻れます。シャワーは当日から可能で、入浴は3日後から、激しい運動は1週間後から可能になることが一般的です。

性行為については2週間程度控えることを推奨しています。ただし、個人差があるため、医師の指示に従うことが大切です。仕事については、デスクワークなら翌日から、肉体労働でも3日後には復帰できることがほとんどです。

切らない包茎手術で失敗すること（リスク）はありますか？

医療行為である以上、リスクはゼロではありません。主なリスクとして、糸が早期に切れて効果がなくなる、感染症を起こす、違和感が続くなどがあります。

ただし、経験豊富な医師が適切に施術を行えば、これらのリスクは最小限に抑えられます。

万が一トラブルが起きた場合も、糸を抜去すれば元の状態に戻せるため、切る手術と比べてリカバリーしやすいという特徴があります。重要なのは、信頼できるクリニックを選び、アフターケアの指示をきちんと守ることです。