白髪のヒゲは脱毛できる?レーザーが効きにくい理由と選べる方法
白髪のヒゲを減らしたい人と、脱毛によって白髪が増えるのではと心配している人とでは、知りたいことが異なります。この記事では前半で、白髪にレーザー脱毛が効きにくい理由と選べる方法を整理し、後半で、脱毛と白髪の関係について現時点で確認できる範囲を説明します。
この記事の要約
- レーザー脱毛は毛のメラニン色素に反応するため、白髪には効果を得にくくなります。
- 白髪交じりの場合、黒い毛が減るほど白髪の割合が目立ちやすくなることがあります。
- メラニンに依存しない方法としてニードル脱毛が用いられることがあります。
- 脱毛の照射が白髪を増やすことを示す一次情報は特定できていません。
- 白髪の主な要因は加齢に伴う色素細胞の機能低下と考えられています。
白髪のヒゲにレーザー脱毛は効きにくい
結論から言うと、白髪や色の薄い毛に対して、レーザー脱毛は効果を得にくくなります。これは機器の性能や施術者の技術の問題ではなく、レーザーが働く仕組みそのものによるものです。
医療脱毛は、毛の再生を長期的に抑えることを目的とした施術です。その働きは毛に含まれる色素を前提としているため、色素が乏しい毛では熱が生じにくくなります。
白髪がある場合でも、黒い毛が残っていればその部分には作用します。すべてを諦める必要はありませんが、白髪の割合や分布によって見込める変化は変わります。まずは仕組みから確認していきます。
脱毛レーザーが白髪に反応しにくい理由
理由は色素にあります。レーザーが熱を生む流れを2段階に分けて確認します。
メラニンに反応して熱を生む仕組み
毛の黒さをつくっているのは、メラニンという色素です。レーザー脱毛は、このメラニンに光を吸収させ、そこで生じた熱を毛を作る組織へ伝えます。メラニンは幅広い波長の光を吸収する性質があり、この性質を利用して毛だけに熱を集めています。
国民生活センターの資料でも、レーザー脱毛は皮下の黒い毛のメラニン色素にレーザーが吸収されて熱を持ち、毛包全体に熱が伝わる方法として説明されています。つまり、熱を運ぶ役割を担っているのが毛の色素です。
白髪はメラニンが少ない
白髪は、メラニンがほとんど含まれていない毛です。そのため、光を照射しても吸収される量が少なく、毛を作る組織へ伝わる熱も生じにくくなります。
レーザー脱毛は、肌の色が明るく毛が濃い状態でもっとも成果を得やすいとされています。裏を返すと、毛の色が薄いほど狙いを絞りにくくなります。産毛や色の抜けかけた毛も同様です。
まったく効かないと断定できる根拠は確認できなかったため、ここでは効果を得にくいという表現にとどめます。実際にどの程度作用するかは、毛の状態を診察で確認したうえでの判断になります。
白髪交じりのヒゲを脱毛したらどうなるのか
ヒゲの一部だけが白いという状態は珍しくありません。この場合、照射によって何が起こるかを整理しておく必要があります。
レーザーは黒い毛に作用するため、回数を重ねると黒い毛が減っていきます。一方、白髪は残りやすいため、全体に占める白髪の割合が相対的に高くなります。結果として、脱毛前より白髪が目立つように感じることがあります。
これは施術の失敗ではなく、仕組みから予測できる経過です。ただし、事前に想定していないと、思っていた仕上がりと違うと感じる原因になります。白髪がある場合は、照射後にどのような見え方になり得るかを、カウンセリングの段階で共有しておいてください。
白髪が多い部位だけ別の方法を検討する、範囲を分けて進めるといった選択もあります。仕上がりのイメージは、回数や料金だけでなく、毛の色の分布も含めて相談することが大切です。
白髪のヒゲにも効果的な脱毛方法
色素に依存しない方法として、ニードル脱毛が用いられることがあります。ここでは仕組みと、検討する際の注意点を整理します。効果や安全性を保証するものではありません。
| 方法 | 仕組み | 白髪への対応 |
|---|---|---|
| レーザー脱毛 | 毛のメラニン色素に光を吸収させ、その熱を毛を作る組織へ伝える | 色素が乏しい毛では熱が生じにくく、効果を得にくい |
| ニードル脱毛 | 毛穴へ細い針を挿入し、電気を流して毛を作る組織へ働きかける | 色素に依存しないため、白髪にも用いられることがある |
いずれの方法にも痛みや肌トラブルが起こる可能性があります。対応できる範囲や施術者の資格は、施術先へ確認してください。
ニードル脱毛(美容電気脱毛)
ニードル脱毛は、毛穴へ細い針を挿入し、電気を流して毛を作る組織へ働きかける方法です。レーザーのように毛の色素へ光を吸収させる仕組みではないため、白髪のように色素が乏しい毛にも用いられることがあります。
国民生活センターの資料では、毛のうへ針を挿入し電気を通して毛乳頭部を破壊する方法による脱毛行為は、医行為に該当するとされています。ただし、実際に行われている施術の内容が、この対象行為と一致するかどうかは施術内容によって異なります。この記事では断定的な整理は行いません。
検討する場合は、どのような施術を、どの資格を持つ人が行うのかを施術先へ確認してください。医療機関で行われるのか、それ以外の施設で行われるのかによっても、対応できる範囲が変わります。
対応できる範囲と回数の考え方
ニードル脱毛は、毛穴に対して1本ずつ処理していく方法です。そのため、広い範囲を扱う場合は施術時間が長くなり、回数も重ねる必要があります。
ヒゲ全体を対象にすると負担が大きくなりやすいため、白髪が集まっている部位に絞って用いる、レーザーで黒い毛を減らしたうえで残った白髪に用いるといった組み合わせが検討されることもあります。
必要な回数は、毛量、部位、毛の状態によって変わります。何回で終わるとあらかじめ決められるものではないため、途中で見直せる進め方かどうかも確認しておいてください。
ニードル脱毛の痛みと注意点
毛穴へ針を挿入して電気を流すため、刺激を感じやすい方法とされています。痛くないと言えるものではなく、範囲や本数によっては負担が大きくなります。
- 施術後に赤みや腫れが生じることがある
- 毛穴に炎症が起こることがある
- 費用が本数や施術時間で決まる場合があり、総額が読みにくい
- 痛みへの対処として何ができるかは施設によって異なる
起こりやすさの頻度については、確認できる一次情報を特定できなかったため、この記事では頻度を示す表現は用いていません。検討する際は、起こり得る症状と、生じた場合の対応を事前に確認してください。
ヒゲ脱毛が原因で白髪になるのか
ここからは、脱毛によって白髪が増えるのではないかと心配している方に向けた内容です。前半とは関心が異なるため、分けて説明します。
まず、脱毛の照射が白髪を増やす原因であることを示す一次情報は特定できませんでした。そのため、この記事では「脱毛すると白髪になる」とも「絶対にならない」とも書きません。現時点で確認できる範囲にとどめます。
一方で、見え方が変わる可能性は考えられます。レーザーは黒い毛に作用するため、回数を重ねると黒い毛が減り、もともとあった白髪の割合が相対的に高くなります。この変化を「脱毛して白髪が増えた」と受け取ることがあり得ます。これは仮説を含む見方であり、因果関係を示すものではありません。
気になる変化がある場合は、施術を受けた医療機関へ経過を伝えてください。毛の状態を確認したうえで、今後の進め方を相談できます。
ヒゲに白髪が増える主な要因
白髪が生じる仕組みについては、研究が進められています。ここでは現時点で整理されている内容を確認します。
毛の色は、毛を作る過程で色素細胞がメラニンをつくり、それが毛へ受け渡されることで決まります。白髪は、この色素をつくる働きが低下したり、色素細胞が失われたりすることで生じると考えられています。加齢に伴う変化が主な背景として挙げられます。
毛には成長期、退行期、休止期という周期があり、色素がつくられるのは成長期です。周期を繰り返すなかで色素をつくる働きが保たれなくなると、色の薄い毛が生えてくるようになります。
加齢以外の要因についても検討されていますが、いずれも断定的な因果として示せる段階にはありません。生活習慣を整えることで白髪を防げると保証することはできないため、この記事では対策として示すことは控えます。
白髪の現れ方には個人差があり、同じ年齢でも本数や部位は人によって異なります。ヒゲに先に出る人もいれば、頭髪から目立つ人もいます。急に増えたように感じる、特定の部位だけ極端に変化したなど、気になる点があるときは皮膚科で相談してください。
ヒゲに白髪が増える前に検討する場合
レーザー脱毛は黒い毛に作用するため、毛の色が濃いうちのほうが対象になりやすいという考え方はできます。
ただし、これは年齢で急ぐべきという意味ではありません。始める時期を決めるときに重要なのは、今の毛の状態と、自分が望む仕上がりです。白髪がまだ少ない段階であれば、レーザー脱毛で対応できる範囲が広くなる、という関係にとどまります。
判断の材料としては、現在の白髪の本数と分布、自己処理の負担、通える期間、予算などを整理してみてください。すでに白髪が多い場合でも、黒い毛に対する照射と、白髪への別の方法を組み合わせるという選択があります。
不安をあおる説明で契約を急がされた場合は、いったん持ち帰って検討して差し支えありません。毛の状態は診察で確認できるため、複数の選択肢を比べたうえで決めてください。
施術前に確認しておきたいこと
白髪がある場合に、契約前に確認しておきたい項目を整理します。毛の色の分布によって前提が変わるため、一般的な説明だけで判断しないことが大切です。
- 白髪に対して対応できる方法を扱っているか
- 使用する方法と、その仕組み
- 白髪が残った場合に、どのような見え方になり得るか
- 費用の決まり方と、追加で発生し得る費用
- テスト照射を受けられるか
- 起こり得る症状と、生じた場合の対応
白髪の本数や分布は自分では数えにくいものです。診察で状態を確認したうえで方針が決まるため、写真だけで自己判断せず、実際に見てもらってから相談してください。
契約の前には、白髪が残ることを前提とした場合の総額も確認しておきましょう。レーザーによる照射のコースだけを契約したあとで、白髪への対応を別途追加すると、想定より費用がかかることがあります。方法を組み合わせる可能性があるなら、その順序と費用の見込みを最初に相談しておくと判断しやすくなります。
白髪と脱毛に関するよくある質問
白髪と脱毛について、ここまでで触れきれなかった疑問をまとめます。判断に迷う場合は、施術先へ確認してください。
白髪だけを処理してもらうことはできますか?
扱っている方法によります。1本ずつ処理する方法であれば、部位や本数を絞って対応できる場合があります。ただし、対応できる範囲や料金の決まり方は施設ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
レーザー脱毛の後に白い毛が生えてきたのはなぜですか?
黒い毛が減ったことで、もともとあった白髪が目立つようになった可能性が考えられます。照射が白髪を生じさせたことを示す一次情報は確認できていません。気になる場合は、施術を受けた医療機関へ経過を伝えて相談してください。
家庭用脱毛器は白髪に使えますか?
光を色素に吸収させる仕組みの製品であれば、白髪では作用しにくいと考えられます。製品ごとに仕様が異なるため、取扱説明書の記載を確認してください。使用できる毛の色について注意書きがある製品もあります。
まとめ
白髪のヒゲにレーザー脱毛が効きにくいのは、レーザーが毛のメラニン色素に光を吸収させて熱を生む仕組みだからです。色素が乏しい毛では熱が生じにくく、白髪は残りやすくなります。黒い毛が減るほど白髪の割合が相対的に高くなるため、事前に見え方を共有しておくことが大切です。
色素に依存しない方法としてニードル脱毛が用いられることもありますが、1本ずつ処理するため範囲や回数の負担が大きくなりやすく、刺激も感じやすい方法です。施術内容と資格、費用の決まり方は施術先へ確認してください。
脱毛の照射が白髪を増やすことを示す一次情報は特定できていません。気になる変化がある場合は、自己判断で結論を出さず、毛の状態を診察で確認したうえで相談しましょう。
参考・出典
国民生活センター なくならない脱毛施術による危害(2017年5月11日公表) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170511_1.pdf
StatPearls(NCBI Bookshelf) Laser Hair Removal https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK507861/
Feng Z, Qin Y, Jiang G. Reversing Gray Hair. Int J Biol Sci. 2023;19(14):4588-4607 https://www.ijbs.com/v19p4588.pdf
厚生労働省 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日付医政医発第105号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6731&dataType=1&pageNo=1