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ED治療の費用はいくら?内訳と保険適用の考え方・継続した場合の目安

ED治療にかかる費用が分からないままでは、受診そのものをためらってしまうかもしれません。

実際の金額は医療機関ごとに異なりますが、何にいくらかかるのかという内訳の見方は共通しています。

この記事では、保険適用の扱い、費用の内訳、継続した場合の考え方、確認しておきたい項目を整理します。

この記事の要約

ED治療は自由診療で保険適用外

EDの治療は、原則として公的医療保険が使えない自由診療にあたります。そのため、料金は医療機関がそれぞれ設定しており、同じ薬でも金額に幅があります。

ただし、例外的な取り扱いがあります。厚生労働省の通知「不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて」(令和4年3月25日 保医発0325第7号)では、バイアグラ錠およびシアリス錠について、勃起不全による男性不妊の治療を目的として一般不妊治療におけるタイミング法において用いる場合に限り、保険給付の対象とされています。

この取り扱いには複数の要件が定められています。関連学会のガイドラインに従って勃起不全と診断されていること、患者またはパートナーが過去6か月以内に一般不妊治療管理料等に係る医療を受けていること、1回の診療につきタイミング法における1周期分かつ4錠以下であることなどです。要件を満たすかどうかは医療機関が判断します。

なお、医療費控除の対象になるかどうかは、治療の内容や目的によって扱いが変わります。本記事では断定できないため、国税庁の案内や所轄の税務署で確認してください。

ED治療の費用の内訳

総額だけを見ていると、後から追加費用に気づくことがあります。まずは、何にいくらかかるのかを分けて考えます。

項目 内容 確認しておきたいこと
診察料・処方料 診察を受ける際にかかる費用 無料か有料か、初診と再診で違うか
薬剤費 処方される薬の費用 用量、錠数、後発医薬品の有無
検査費 必要に応じて行われる検査の費用 どのような場合に必要になるか
その他 配送料や事務手数料など オンライン診療の場合に発生するか

本記事では、医療機関ごとに異なるため具体的な金額は示していません。実際の料金は受診先で確認してください。

診察料・処方料

診察料は、無料としている医療機関と、有料としている医療機関があります。薬剤費が安く見えても診察料が別にかかる場合があり、逆に診察料込みの表示になっている場合もあります。

また、初診と再診で扱いが異なることがあります。初回だけ費用がかかる形か、毎回かかる形かによって、継続したときの負担は変わります。表示されている金額に何が含まれているかを、最初に確認しておきましょう。

とくに継続を考えている場合は、再診のたびにかかる費用のほうが総額に影響します。初回だけを見て比べると、実際の負担と印象がずれることがあります。診察のたびにかかる費用と、薬を受け取るたびにかかる費用を分けて把握しておくと整理しやすくなります。

薬剤の費用

薬剤費は、成分の種類、用量、処方される錠数によって変わります。同じ成分でも、用量が上がれば金額が変わるのが一般的です。

1錠あたりの金額が示されている場合、その用量が自分に処方されるものと同じかを確認してください。表示されている金額が最も少ない用量のものである場合、実際の負担は変わってきます。金額を比べるときは、条件をそろえることが前提になります。

検査にかかる費用

必要に応じて、血液検査などが行われることがあります。EDは全身の状態と関わることがあるため、血糖や脂質、ホルモンの状態を確認する目的で実施される場合があります。

検査は全員に同じ内容が行われるわけではなく、状況に応じて判断されます。行われる場合は別途費用がかかることがあるため、どのような場合に必要になるのかを事前に確認しておくと安心です。

ED治療薬の費用の考え方

薬剤費は、用量と使う頻度の掛け算で決まります。1回あたりの金額だけを見ていると、実際の負担を見誤りやすくなります。

たとえば、月に1回使う場合と週に1回使う場合では、同じ薬でも月あたりの負担は大きく変わります。使う頻度には個人差があるため、自分の想定に当てはめて計算してみてください。想定が難しい場合は、少ない頻度と多い頻度の両方で見積もっておくと、幅として把握できます。

なお、費用を抑える目的で、処方された錠剤を自己判断で分割して服用することは勧められません。用法・用量から外れた使い方は、効果と安全性の前提を崩すことになります。用量や頻度について負担が大きいと感じる場合は、その旨を医師に伝えて相談してください。

これらを書き出してから計算すると、比較の条件がそろいます。逆にいえば、条件が示されていない金額どうしを比べても、判断材料にはなりにくいということです。

先発医薬品とジェネリックのED治療薬の価格差

費用を抑えたい場合の選択肢として、後発医薬品(ジェネリック医薬品)があります。取り扱いは医療機関によって異なります。

後発医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、承認された効能・効果も同じです。バルデナフィルの後発医薬品では、先発医薬品との生物学的同等性が確認されたことが電子添文に記載されています。一方で、添加剤や剤形が異なる場合があり、錠剤の大きさなど使いやすさに関わる違いが出ることもあります。

「効果が劣る」とも「まったく同じ」とも単純化はできません。選択肢として提示された場合は、価格だけでなく剤形や使いやすさも含めて相談するとよいでしょう。

ED治療薬以外の治療にかかる費用

ED治療薬以外の方法が案内されることもあります。ただし、位置づけを確認せずに費用だけを比べることはできません。

国内での承認状況や、診療ガイドラインでの位置づけが確認できない治療については、本記事では金額を記載していません。承認されていない機器や治療が用いられる場合、健康被害が生じたときの救済制度の扱いも変わり得るためです。

手術など負担の大きい治療の費用は、術式や範囲、麻酔の有無によって変わります。単一の固定値として示せるものではないため、提示された金額がどの条件のものかを確認してください。案内された治療については、国内で承認されているか、どのような場合に検討される治療かを含めて説明を受けることをおすすめします。

オンライン診療の場合の費用

オンライン診療を選ぶ場合、対面診療とは費用の構成が変わることがあります。表示金額だけで比べないことが大切です。

診察料や薬剤費のほかに、配送料や事務手数料がかかる場合があります。まとめて処方を受けると1回あたりの配送料が下がる形になっていることもあり、条件によって総額の見え方が変わります。

また、対面かオンラインかは、金額だけで決める問題でもありません。持病がある方や、血液検査などの確認が必要な場合は、対面での診察が適していることもあります。どこを受診すればよいかについては、別の記事で詳しく解説しています。

オンライン診療を利用する場合は、定期的に薬が届く形になっているかどうかも確認しておきたい点です。継続する意思があっても、いつでも停止できるのか、次回発送の何日前までに連絡が必要なのかを把握していないと、想定より支払いが続くことがあります。

ED治療薬を継続した場合の費用

ED治療薬は、毎日飲む種類の薬とは使い方が異なります。そのため、継続した場合の負担は使う頻度によって大きく変わります。

考え方としては、1回あたりの薬剤費に、1か月に使うと想定する回数を掛け、そこに診察料が毎回かかるかどうかを加えます。年単位で見る場合は、これを12倍したうえで、検査費が発生する可能性を見込んでおきます。前提となる用量や頻度が変われば結果も変わるため、必ず条件を明記して計算してください。

使う頻度は人によって異なり、時期によっても変わります。一つの数字に固定せず、少ない場合と多い場合の幅で考えておくほうが、後から慌てにくくなります。

続けるうちに、用量が変わることもあります。効果が十分でない場合に用量の調整が検討されることがあり、その場合は薬剤費も変わります。最初の見積もりのまま固定されるものではないという点も、見通しに含めておいてください。

負担が大きいと感じたときに、自分で使用量を減らしたり通院をやめたりする前に、まず医師へ伝えることをおすすめします。用量や処方の間隔について、相談できる余地がある場合があります。

ED治療の費用を確認する方法

受診前や契約前に確認しておきたい項目を整理します。口頭の説明だけでなく、書面で確認することが大切です。

国民生活センターは、美容医療に関する相談が増えているとして、その場で契約を決めずに検討すること、リスクや副作用の説明を受けること、総額を確認することを呼びかけています。カウンセリング当日に急いで決める必要はありません。持ち帰って検討すると伝えてかまいません。

また、費用の説明と同じくらい重要なのが、使用できない場合や併用してはいけない薬についての説明です。金額の話だけで進む場合は、その点を自分から確認してください。

安さだけでED治療薬を選ばないほうがよい理由

価格を比べていくと、海外通販や個人輸入の情報にたどり着くことがあります。しかし、ここは費用の比較で判断してよい領域ではありません。

厚生労働省は、個人輸入された医薬品について、品質・有効性・安全性が日本の法令に基づいて確認されていないこと、人体に有害な物質が含まれている場合があること、医師や薬剤師でも成分や作用に関する十分な情報を持たず副作用に迅速に対応することが困難な場合があることを示しています。健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

ED治療薬には、硝酸剤や一酸化窒素供与剤との併用が禁じられているものがあります。患者向医薬品ガイドには、これらを併用した場合に過度に血圧が低下することがあり、死亡例を含む心筋梗塞などの重篤な副作用が報告されていることが記載されています。診察を受けずに使用すれば、この確認そのものを飛ばすことになります。

ED治療に関するよくある質問

ED治療の費用について、本文で触れきれなかった疑問をまとめました。実際の金額は受診先によって異なります。

初診でどのくらいの費用がかかりますか?

医療機関ごとに設定が異なるため、一律の金額は示せません。診察料が無料か有料か、初回に検査を行うか、当日に薬を処方するかによって変わります。予約時や受診前に、初診で想定される総額と、その内訳を確認しておくと安心です。

保険が使えることはありますか?

厚生労働省の通知では、バイアグラ錠およびシアリス錠について、勃起不全による男性不妊の治療を目的として一般不妊治療におけるタイミング法において用いる場合に限り、要件を満たせば保険給付の対象とされています。医師の経験や処方数量など複数の要件があり、該当するかどうかは医療機関が判断します。それ以外の目的では自由診療となります。

医療費控除の対象になりますか?

治療の内容や目的によって扱いが変わるため、本記事では断定できません。領収書は保管しておき、対象になるかどうかは国税庁の案内や所轄の税務署で確認してください。医療機関に確認する場合も、税務上の判断そのものは税務署が行う点に注意が必要です。

まとめ

EDの治療は原則として自由診療にあたり、費用は医療機関ごとに設定されています。ただし、勃起不全による男性不妊の治療を目的として一般不妊治療のタイミング法で用いる場合など、要件を満たせば保険給付の対象となる取り扱いも定められています。
見落としやすいのは、薬剤費以外の費用です。診察料や検査費、オンライン診療の場合の配送料や手数料まで含めないと、実際の負担は分かりません。1錠あたりの金額ではなく、使う頻度に応じた月あたりの負担で考えると、判断しやすくなります。
安さを理由に個人輸入を選ぶと、併用禁忌の確認を飛ばすことになり、健康被害が生じても救済制度の対象になりません。その場で契約を決めず、総額と解約条件を書面で確認したうえで相談してください。

参考・出典

厚生労働省 不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて(令和4年3月25日 保医発0325第7号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6607&dataType=1&pageNo=1

PMDA 患者向医薬品ガイド シアリス錠5mg/10mg/20mg(タダラフィル) https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/530263_2590016F5026_1_01G.pdf

PMDA 電子添文 バルデナフィル錠10mg「トーワ」/20mg「トーワ」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/480235_259000BF2041_1_06

国民生活センター 増加する美容医療サービスのトラブル(2023年8月30日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230830_1.html

厚生労働省 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html