低強度体外衝撃波治療(Li-ESWT: Low-Intensity Extracorporeal Shockwave Therapy)は、低強度の体外衝撃波を専用機器を用いて、衝撃波を当てて血管機能を高める治療法です。勃起不全(ED)に対する新しい治療法として注目されています。 ※恐れ入りますが、当院(アトムクリニック)では低強度体外衝撃波治療(Li-ESWT)の施術は現在取り扱っておりません。 低強度体外衝撃波治療の効果は? 低強度体外衝撃波治療(Li-ESWT)は、海綿体へ衝撃波をストレスとして作用させることで、主に以下の効果を引き出すと考えられています。 血管新生の促進 衝撃波が血管内皮前駆細胞(EPC)を照射部位に誘導し、VEGF(血管内皮増殖因子)などの成長因子の放出を促進します。これにより、海綿体内で新しい血管が作られ(血管新生)、血流が増加することで、勃起機能の改善に寄与すると推測されています。 組織修復の促進 海綿体組織自体の修復も促されます。 従来の治療方法との違い、メリット 従来のED治療薬(PDE5阻害薬)が勃起を一時的に補助する対症療法であるのに対し、Li-ESWTは衝撃波を用いて陰茎海綿体の組織に働きかけ、血管の新生や組織の修復を促すことで、勃起機能そのものの根本的な改善を目的としている点です。 この違いから、Li-ESWTはいくつかの大きなメリットを持ちます。まず、治療は短時間で完了し、身体への負担が少ないため、痛みや副作用がほとんどないとされています。さらに重要な点として、従来の薬物療法では使用が難しかったり、効果が不十分であったりする心血管疾患や糖尿病といった基礎疾患を持つ患者に対しても、適用できることが挙げられます。 低強度体外衝撃波治療の方法 Li-ESWTで使用されている3つの治療機器について、治療の頻度など詳細について紹介します。 ED1000 2010年に登場したのがED1000(Medispec社製)です。陰茎5箇所に300発の衝撃波を当てます。 週2回を3週間(合計6回)実施し、3週間休止した後に再度3週間(合計6回)実施する、計12回を1クールとする治療方法です。 ED治療薬に反応が不良だったED患者において治療1ヶ月後に有効性が明らかになったと報告があります。 (参考)Low-intensity extracorporeal shock wave therapy–a novel effective treatment for erectile dysfunction in severe ED patients who respond poorly to PDE5 inhibitor therapy RENOVA(レノーヴァ) 2020年の報告をきっかけとして使用され始めたのがRENOVA(レノーヴァ)です。足の付け根と陰茎の側面に合計3600回の衝撃波を当てます。 1週間に1回20分の施術を4週間(合計4回)実施し、これを期間をおいて繰り返す治療方法です。 治療開始後3か月で有意な改善を認めたとの報告があります。 (参考)Penile low intensity shock wave treatment for PDE5I refractory erectile dysfunction: a randomized double-blind sham-controlled clinical trial MORENOVA(モアノヴァ) 2024年に加藤淳らが日本アンドロロジー学会学術大会で第三世代のMORENOVA(モアノバ)による研究を発表しました。 1週間に1回15分の施術を6週間(合計6回)実施します。 (参考)https://www.eastcl.com/ed/morenova/MORENOVA(モアノヴァ)治療について リスクと注意点 副作用の報告はなく、治療期間中でも普段通りの性生活を送ることができ、ED治療薬も併用することが可能です。ただし、以下のような方は治療を受けることができません。施術方法や機器によって異なることがありますので、事前に確認が必要です。 重篤な血液病をお持ちの方 悪性腫瘍がある 治療前6か月以内に心筋梗塞、心不整脈を発症している方 抗凝固剤を服用している方 血栓症 衝撃波照射部位に化膿性疾患を合併する方 成長期のお子さん 山本クリニック 東京 – 医師紹介 理事長:河合 成海 NARIUMI KAWAI 大手美容外科クリニックの指導医や院長を数多く歴任。 美容外科医として15年以上従事し、 アンチエイジングやジェンダーレスな 総合美容医療領域にて活躍中。 手術実績2万件と国内トップクラスを誇る。