陰圧式勃起補助具は、陰茎に陰圧をかけて勃起状態を引き出すデバイスです。日本では、Vigor 2020® ( A&HB株式会社、東京)が医療機器承認を取得しています。ED治療薬の副作用が心配な方や、心臓疾患で薬が使えない方でも使用できます。このコラムでは、Vigor2020® を中心に陰圧式勃起補助具について紹介します。 陰圧式勃起補助具の特徴 陰圧式勃起補助具は、ED治療ガイドラインでバイアグラなどのED治療薬が効かない場合の第一選択療法として位置付けられています。その有効性ですが、Vigor 2020®の過去の報告では、使用により勃起力の顕著な改善だけでなく、射精の改善も経験したことが報告されています。 参考:Shirai M, Tsujimura A, et al.Efficacy of a new vacuum erection device (Vigor 2020) for erectile dysfunction:A retrospective study in Japan.Int J Urol. in press 陰圧式勃起補助具の仕組み 陰圧式勃起補助具は、筒状のシリンダーに陰茎を入れ、ポンプで内部の空気を抜くことで陰圧(真空に近い状態)を作り出します。この陰圧により、血液が自然に陰茎の海綿体へと流入し、勃起状態を作り出します。 十分な勃起が得られたら、陰茎の根元にスチレン系エラストマー(ゴムのような弾性を併せ持つ素材)のリングを装着します。このリングが血液の流出を防ぎ、勃起状態を維持する役割を果たします。 陰圧式勃起補助具の使用方法 陰圧式勃起補助具の安全で効果的な使用のためには、正しい手順と注意点をおさえておきましょう。 正しい使い方の5ステップ 陰圧式勃起補助具は、次の5つのステップで使用します。 シリンダーにパッキン、ポンプを装着する 陰茎根部にリングを装着する 亀頭にローションを塗り、亀頭にパッキンの穴にあて、ポンプを数回操作する 陰茎全体がシリンダー内に吸い込まれ、勃起状態になり、10分間待つ(初心者は5分まで) 10分後に陰圧を解除し、パッキンから陰茎を抜く(リングは装着したまま) 使用時の注意点 使用上の注意として、真空状態を10分以上続けないこと、リングは30分以上装着しないことです。陰茎は虚血状態となるため使用時間が制限されています。使用し続けると陰圧により内出血を来す可能性があるため、必ず守りましょう。 使用時のポイント Vigor2020では3つのサイズのリングが用意されており、陰茎サイズにあったリングを使用することがポイントです。ゆるいと勃起を維持することができず、逆にきついと痛みが生じ射精が難しくなります。 あわせて読みたい ▶︎ペニスポンプの増大効果・ED改善効果・使い方・注意点を解説 ▶︎ED治療で薬以外の方法とは?飲まないED治療を5つ紹介 アトムクリニック 東京 – 医師紹介 アトムクリニック総院長 山口 立樹(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医) tatsuki yamaguchi 横浜市立大学医学部を卒業後、京都大学泌尿器科学教室に入局。 神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立西神戸医療センターなど、泌尿器科領域における基幹病院で臨床経験を積み、丹後中央病院泌尿器科では医長を歴任。 現在も泌尿器科専門医として数多くの症例と向き合いながら、日々技術と知見を磨いている。日本泌尿器科学会、泌尿器内視鏡・ロボティクス学会、日本生殖医学会にも所属し、泌尿器科領域全般の専門知識を有する。 ED・包茎など、男性特有の悩みを一人で抱え込んでしまう方は多い。勇気を出して相談してくれた方に真摯に寄り添い、「なりたい自分」に近づく治療を提案している。 【論文】 前立腺全摘除術前の膀胱鏡検査で偶然発見された膀胱癌の検討 80歳以上の高齢者に対する腎尿管全摘除術の検討 陰茎海綿体内に生じた筋周皮腫の1例 多発性骨髄腫の治療中に診断された膀胱形質細胞腫の症例 腹腔鏡下およびロボット支援前立腺全摘除術における拡大リンパ節郭清後の病理学的リンパ節転移陽性前立腺癌患者における再発リスク因子