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ミノキシジルの副作用は?外用薬・内服薬で報告されている症状と対応

ミノキシジルの副作用を調べていると、頭皮のかゆみから動悸まで、幅の広い症状が並んでいて不安になるかもしれません。

しかし、これは外用薬と内服薬の情報が混ざっているためです。この記事では、報告されている症状を外用薬と内服薬に分けて整理し、注意が必要な方、症状が出たときの対応と受診の目安をまとめます。

この記事の要約

ミノキシジルの副作用の全体像

ミノキシジルの副作用を考えるときは、まず外用薬と内服薬を分けることが出発点になります。同じ成分名でも、体への入り方が違えば、起こり得る症状の範囲も変わるためです。

外用薬は頭皮に塗って使うため、報告されている症状も塗った部位の皮膚に関するものが中心です。一方、内服薬は全身をめぐるため、皮膚だけでなく循環器や体液のバランスに関わる症状が挙げられています。この違いは、リスクの大きさそのものの違いにもつながります。

また、症状の起こりやすさを示す頻度については、根拠を確認できるものと、できないものがあります。本記事では、確認できない頻度は書かず、「起こることがある」という形で整理しています。副作用が少ない薬だと結論づけるための記事ではない点をご理解ください。

なお、症状の出方には個人差があります。同じ製品を同じように使っても、まったく症状が出ない方もいれば、続けられない方もいます。

区分 国内での扱い 報告されている症状の中心
外用薬 市販されている製剤がある 塗った部位の皮膚症状、顔面の多毛
内服薬 医薬品として承認されていない 心血管系に関わる症状、全身の多毛、むくみ

内服については有用性を確かめる臨床試験が実施されておらず、ガイドラインでは推奨度Dとされています。

ミノキシジルの外用薬で報告されている副作用

外用薬で報告されているのは、主に塗った部位に起こる皮膚の症状です。日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」に記載されている内容を中心に整理します。

同ガイドラインには、393名の男性を対象に2%と5%のミノキシジル液を比較した48週までの試験で、かゆみや接触皮膚炎が報告されたことが記載されています。あわせて、接触皮膚炎の症状が出た方のうちパッチテストまで行った例は少なく、その中には溶媒であるプロピレングリコールに陽性を示した例もあったことから、有害事象の見解はまだ一致していないとも述べられています。

つまり、頭皮に症状が出たときに、その原因が有効成分なのか、基剤に含まれる別の成分なのかは、使ってみただけでは分かりません。症状が強い場合や続く場合は、使用を中断して皮膚科などに相談してください。

また、症状が出たときに「量が足りないのでは」と考えて塗る量や回数を増やすことは避けてください。決められた使い方を超えると、皮膚の症状が強くなるだけでなく、成分が想定以上に吸収されるおそれもあります。

顔面の多毛が挙げられているのは、頭皮に塗った成分が額や顔まわりに広がることがあるためと考えられます。就寝前に使う場合は、乾く前に枕や手で広げてしまわないよう、使用後の扱いにも気を配ると違いが出ます。手に付いた分はそのつど洗い流してください。

頭皮の乾燥やふけが気になるとき、その原因が製剤によるものか、もともとの頭皮の状態によるものかは区別が難しい場合があります。シャンプーや整髪料を変えた時期と重なっていないかも含めて振り返っておくと、相談時の材料になります。

ミノキシジルの内服薬で報告されている副作用

内服のミノキシジルは、外用薬とは前提が大きく異なります。症状を見る前に、承認状況を確認しておく必要があります。

日本皮膚科学会のガイドラインには、ミノキシジルが降圧剤として開発されたものの日本では認可されていないこと、男性型脱毛症の治療薬として認可されている国はないことが記載されています。そのうえで、内服の有用性に関する臨床試験は実施されておらず、利益と危険性が十分に検証されていないとして、推奨度Dとされています。

そのため、内服のミノキシジルを用いる場合は、国内で承認されていない医薬品の使用にあたり、自由診療となります。健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。同制度は、医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害を対象とする制度です。

以下では、同ガイドラインに記載されている内容をもとに、報告されている症状を整理します。外用薬の情報をそのまま当てはめることはできません。

循環器に関わる症状

日本皮膚科学会のガイドラインには、内服用製剤の添付文書の市販後調査欄に、胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全といった重大な心血管系障害が生じるとの記載があることが示されています。

もともと血圧を下げる目的で開発された成分であるため、血管や心臓の働きに影響し得ることは、成分の性質から考えても不自然ではありません。心臓や血圧に関わる病気で治療を受けている場合、通院先で処方されている薬がある場合は、必ず医師に申告してください。

胸の痛み、強い動悸、息苦しさ、急なめまいなどが出た場合は、様子を見るのではなく、早めに医療機関を受診してください。

多毛やむくみなど全身に関わる症状

同ガイドラインには、内服のミノキシジルについて全身の多毛症を起こす副作用があること、また、むくみや体重増加についても市販後調査欄に記載があることが示されています。

多毛は、頭部だけでなく、顔や腕、背中など望んでいない部位の毛が濃くなる形であらわれることがあります。むくみや体重の増加は、体内の水分バランスの変化として起こると考えられており、心臓への負担とも関わり得ます。

ミノキシジルでは初期脱毛が起こることがある

使い始めの時期に、抜け毛が一時的に増えたように感じることがあります。初期脱毛と呼ばれることがある現象です。

全員に起こるものではなく、起こった場合に必ず落ち着くと決まっているわけでもありません。「初期脱毛は効いている証拠」という説明も見かけますが、そう言い切れる根拠は確認できていません。安心するための材料としても、心配するための材料としても、断定して受け取らないほうがよいでしょう。

困るのは、驚いて自己判断で中止してしまうことです。中止すれば、その後どうなるかを確かめられなくなります。抜け毛の量が明らかに多い、長く続く、頭皮の痛みやかゆみを伴うといった場合は、我慢せず相談してください。

また、抜け毛が増えたと感じた時期に、季節の変わり目、体調不良、強いストレス、食生活の変化などが重なっていることもあります。原因を1つに決めつけず、いつから、どのくらいの量が、どの部位で増えたのかを記録しておくと、医師が判断する際の手がかりになります。

女性・未成年・持病がある人のミノキシジルの注意

ミノキシジルは、性別や年齢によって使える製剤や扱いが変わります。市販の外用薬でも、対象が定められています。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、ミノキシジル外用について、男性型脱毛症には5%、女性型脱毛症には1%のミノキシジルを用いるとされており、対象によって濃度の考え方が異なります。市販の製品にも、男性向け・女性向けの区分があります。手元にある製品が自分に当てはまるかは、添付文書で確認してください。

これらに当てはまるからといって一律に使えないわけではなく、当てはまらないから問題ないと自分で確定できるものでもありません。判断は医師や薬剤師が行います。家族のために購入した製品を本人以外が使うことも避けてください。

併用や体調でミノキシジルの注意が必要な場合

服用中の薬や当日の体調によっては、注意が必要になる場合があります。とくに血圧や心臓に関わる薬を使っている方は、事前の確認が欠かせません。

飲み合わせについては、確認できない内容を推測で判断することはできません。降圧薬をはじめとする循環器の薬、他の外用薬、サプリメントを使っている場合は、製品名が分かるものを持参して医師や薬剤師に相談してください。お薬手帳があれば、それを見せるのが確実です。

また、飲酒の直後や、発熱・脱水がある日、睡眠不足が続いている日は、体調の変化と副作用の区別がつきにくくなります。体調が優れない日は無理に使わず、状態が戻ってから再開するかどうかを含めて相談するとよいでしょう。

ミノキシジルの副作用が出たときの対応と受診の目安

症状によって、様子を見てよいものと、早めに相談したほうがよいものがあります。迷ったときの目安として整理します。

症状の例 考えられる対応
軽いかゆみや赤みが一時的に出た 使用状況を記録し、続く場合は相談する
かぶれや毛包炎が続く、範囲が広がる 使用を中断して皮膚科などに相談する
顔や体の毛が濃くなってきた 使用中の製剤を伝えて医師に相談する
胸の痛み、強い動悸、息苦しさ、急なむくみ 様子を見ずに早めに医療機関を受診する

判断に迷う場合は、症状が軽いうちに相談するほうが対応の選択肢が広がります。

相談する際は、使い始めた時期、1日の使用回数と量、症状が出た時期、他に飲んでいる薬を伝えると、状況を共有しやすくなります。使用している製品のパッケージを持参する方法もあります。

なお、副作用が心配だからといって、自己判断で量を減らしたり、隔日にしたりすることは勧められません。用法・用量から外れた使い方は、効果の判定を難しくするうえ、症状の原因も分かりにくくします。

ミノキシジルの個人輸入や海外製品によるリスク

価格や入手のしやすさを理由に、海外通販や個人輸入を検討する方がいます。しかし、これは副作用の観点からとくに注意が必要な選択です。

厚生労働省は、個人輸入される医薬品等について、品質・有効性・安全性が日本の法令に基づいて確認されていないこと、期待する効果が得られなかったり人体に有害な物質が含まれていたりする場合があること、医師や薬剤師でも成分や作用に関する十分な情報を持たず副作用に迅速に対応することが困難な場合があることを示しています。正規品の偽造品が流通している問題も指摘されています。

さらに、個人輸入された医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。何かあったときに公的な救済を受けられないという点は、価格差では埋められない差です。

本記事では、特定の販売サイトや商品名は挙げません。入手経路そのものに関わる問題であるため、個別の製品の良し悪しでは判断できないためです。

すでに個人輸入した製品を使っている場合も、そのことを隠す必要はありません。診察では、何を、どのくらいの期間、どのように使ってきたかが重要な情報になります。成分量が分からない製品であっても、パッケージや購入時の記録を持参すると、状況を把握しやすくなります。

ミノキシジルの処方前に医師へ伝えたいこと

診察を受ける前に情報を整理しておくと、判断に必要なやり取りが短くなり、見落としも減ります。次の点をメモしておくとよいでしょう。

自分では関係がないと思う情報が、判断の分かれ目になることがあります。市販薬や海外製品を使ったことがある場合も、隠さずに伝えてください。責められるために聞かれるのではなく、安全に進めるために必要な情報です。

ミノキシジルに関するよくある質問

ミノキシジルの副作用について、本文で触れきれなかった疑問をまとめました。個別の判断は診察によって変わります。

副作用はどのくらいの期間続きますか?

症状の種類や体質によって異なり、一律の期間は示せません。皮膚の症状は使用を中断すると落ち着くことがありますが、必ずそうなるとは限りません。長引く場合や強い場合は、自己判断で使い続けず、医療機関に相談してください。使用状況を記録しておくと、経過を伝えやすくなります。

量を減らせば副作用は避けられますか?

自己判断で量や回数を変えることは勧められません。用法・用量から外れると、効果の判定ができなくなるうえ、症状の原因も分かりにくくなります。副作用が心配な場合は、まず現在の状況を医師や薬剤師に伝えてください。使い方を見直すのか、中止するのかを含めて相談できます。

体毛が濃くなることはありますか?

日本皮膚科学会のガイドラインには、外用薬について顔面の多毛が、内服については全身の多毛症が報告されていると記載されています。全員に起こるものではありませんが、望んでいない部位の毛が濃くなったと感じた場合は、使用している製剤を伝えて相談してください。

まとめ

ミノキシジルの副作用は、外用薬と内服薬に分けて考えることが出発点になります。外用薬では、かゆみや紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが報告されており、多くは塗った部位に関わる症状です。内服については国内で承認されておらず、心血管系に関わる症状や多毛、むくみの記載があります。
見落としやすいのは、頭皮の症状の原因が有効成分とは限らないこと、そして症状が出たときに量を増やしたり自己判断で減らしたりすると、原因の切り分けができなくなることです。個人輸入した医薬品は救済制度の対象にもなりません。
胸の痛みや強い動悸、急なむくみなど全身の症状は、様子を見ずに受診してください。皮膚の症状も含め、迷ったときは早めに医師や薬剤師へ相談しましょう。

参考・出典

日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

厚生労働省 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html

PMDA 医薬品副作用被害救済制度に関する業務 https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html

あやしいヤクブツ連絡ネット 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/risk/