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EDに根本治療はある?原因別のアプローチとED治療薬との違いを解説

ED(勃起不全)について調べると「根本治療」という言葉を目にしますが、これを行えばEDが解消するという単一の方法が確立しているわけではありません。

EDは背景にある病気や薬、心理面など複数の要因が関わるため、まず原因を調べることが出発点になります。

この記事では、原因別に行われる対処と、ED治療薬の位置づけの違いを整理し、受診先や検査の流れまで説明します。

この記事の要約

EDの根本治療とは何を指すのか

「根本治療」という言葉は、検索する人と医療機関とで意味がずれやすい表現です。まずどこにずれがあるのかを整理しておくと、以降の内容が理解しやすくなります。

多くの場合、検索者が期待しているのは「薬に頼らず、飲まなくてもよい状態に戻す」という意味の根本治療です。一方、医療機関で行われているのは、EDの背景にある病気や生活習慣、服用中の薬といった原因に対して働きかける「原因治療」です。両者は重なる部分もありますが、同じではありません。

重要なのは、これを行えば必ずEDが解消するという単一の方法は確立していない、という点です。原因が複数重なっている場合も多く、原因治療を行っても薬が不要になるとは限りません。そのうえで、原因を調べること自体には、EDの改善だけでなく他の病気を見つけるという意味もあります。

EDの主な原因

日本泌尿器科学会の一般向け解説では、EDの原因として非常に幅広い要因が挙げられています。心理面や加齢だけに限定されるものではありません。

血管・神経・内分泌に関わる要因

勃起は、性的な刺激をきっかけに神経の信号が伝わり、陰茎の海綿体へ血液が流れ込むことで起こります。したがって、血管の状態、神経の伝達、ホルモンのいずれかに問題があると影響が出ます。

同学会の解説では、性的興奮時に陰茎海綿体への血流が十分でなくなる状態としてEDが説明されています。糖尿病や高血圧、脂質異常症などは血管や神経に影響しうる病気であり、EDと関連が指摘されています。

心理的な要因

不安や緊張、パートナーとの関係、仕事上のストレスなどが影響することがあります。一度うまくいかなかった経験が次の不安につながる、という形で症状が続く場合もあります。

ただし、心理的な要因が思い当たるからといって、身体的な原因がないと決めつけるのは適切ではありません。実際には両方が重なっていることも多く、心理面だけに原因を求めると、背景にある病気を見逃すおそれがあります。

服用中の薬による影響

同学会の解説でも、服用中の薬剤の副作用がEDの原因として挙げられています。降圧薬や一部の精神科の薬など、日常的に使われている薬が関係している場合があります。

ここで注意したいのは、思い当たる薬があっても自分の判断で中止しないことです。もとの病気の治療に必要な薬であることが多く、中断によって別のリスクが生じます。気になる場合は、処方している医師へ相談してください。

加齢や生活習慣が重なる場合

加齢も原因の一つとして挙げられていますが、年齢だけでEDになると決まるわけではありません。喫煙や肥満、運動不足といった生活習慣が重なることで、血管や全身の状態に影響が及ぶと考えられています。

同学会の解説では、高血圧の患者で41.6%、糖尿病で42%、高脂血症で20%の人にEDがみられるとされています。生活習慣に関わる病気とEDが無関係ではないことを示す数字として参考になります。

EDの原因に対して行われるアプローチ

原因が異なれば、行われる対処も変わります。ここでは代表的な四つの方向性を紹介します。いずれも、これだけで解決すると保証できるものではありません。

生活習慣の見直し

喫煙、肥満、運動不足はいずれもEDの原因として挙げられており、見直しの対象になります。禁煙や体重管理、日常的な運動は、EDに限らず血管や全身の状態に関わる取り組みです。

ただし、生活習慣を改善すれば必ずEDが治る、という関係ではありません。改善までに時間がかかることもあり、他の原因が並行して関わっている場合もあります。生活習慣の見直しは土台として続けつつ、必要な検査や治療は別に受けるという考え方が現実的です。

糖尿病・高血圧などの治療

背景に糖尿病や高血圧などの病気がある場合、その治療を続けることが基本になります。血糖や血圧の管理は、血管や神経への影響を抑えるという意味でEDとも関わります。

一方で、これらの治療を行えばEDが解消するとは限りません。すでに生じた変化がどこまで戻るかは個人差があり、治療内容も人によって異なります。EDを含めて相談したい場合は、かかりつけの医師に症状を伝えたうえで、泌尿器科への相談を検討してください。

服用中の薬の見直し

薬の影響が疑われる場合、処方している医師が必要性と代替手段を検討したうえで、種類や量を調整することがあります。あくまで医師の判断で行われるものです。

自分で判断して中止したり、量を減らしたりすることは避けてください。もとの病気が悪化するおそれがあります。受診の際は、現在飲んでいる薬をお薬手帳などで正確に伝えると、検討がスムーズになります。

心理的要因への対応

不安や緊張が強く関わっていると考えられる場合、カウンセリングや心療内科・精神科との連携が検討されることがあります。パートナーとの関係が関わる場合は、二人で相談できる体制が助けになることもあります。

心理的な対応と薬による治療は、どちらか一方を選ぶものとは限りません。実際には並行して進めることもあります。何が中心的な要因なのかを判断するためにも、まず身体面の確認を受けておくことが役立ちます。

ED治療薬は根本治療になるのか

ここは誤解が生じやすい部分です。結論から言うと、ED治療薬は服用したときに勃起を助ける薬であり、EDの原因そのものを取り除く薬ではありません。

国内の主なED治療薬はPDE5阻害薬で、性的刺激に伴う勃起を助けます。効果が期待できる時間は成分によって異なり、タダラフィルでは服用後36時間まで有効性が確認されています。ただし、その間ずっと勃起が続くという意味ではなく、薬の効果が続くこととEDの原因が解消することも別です。

この位置づけは、薬の価値を下げるものではありません。原因の治療には時間がかかることが多く、その間の生活の質を保つ手段として意味があります。「原因への対処」と「薬による補助」は、対立するものではなく役割が違うと理解してください。

観点 原因へのアプローチ ED治療薬
目的 背景にある病気や要因に働きかける 服用時に勃起を補助する
効果の現れ方 時間をかけて変化する場合がある 服用したときに働く
進め方 検査と診断を踏まえて継続する 用法・用量に従って服用する

どちらか一方を選ぶものではなく、並行して進めることもあります。

なお、ED治療薬には心血管系の状態によって使用できない場合があり、硝酸剤などとの併用は禁忌とされています。薬を使うかどうかも含めて、診察で確認を受けてください。

薬以外に行われるED治療

内服薬以外にも選択肢は存在しますが、国内での承認状況や保険適用は治療ごとに異なります。ここでは名称と考え方を紹介し、実施の可否は医療機関で確認していただく前提で説明します。

陰圧式勃起補助具

陰茎を筒状の器具に入れて内部を減圧し、血液を引き込むことで勃起を補助する器具です。器具を用いる物理的な方法であり、内服薬が使えない場合の選択肢として説明されることがあります。

国内で入手できる製品の種類や、医療機器としての取り扱い、費用の負担については医療機関ごとに異なります。使用方法を誤ると皮膚や組織を傷めるおそれがあるため、通信販売などで自分の判断だけで入手して使うのではなく、診察のうえで指導を受けてください。

陰茎海綿体注射・陰茎プロステーシス

陰茎海綿体注射は、血管を広げる薬を陰茎へ直接注射する方法です。陰茎プロステーシスは、陰茎内に器具を埋め込む手術で、内服薬などで十分な効果が得られない場合の選択肢として知られています。

いずれも実施できる医療機関が限られ、国内での承認状況や保険適用、使用する薬剤の適応は個別の確認が必要です。本記事の執筆時点では一次情報を特定できていないため、効果や適応をここで断定することは避けます。関心がある場合は、泌尿器科で取り扱いの有無を確認してください。

低強度体外衝撃波治療の位置づけ

陰茎に低強度の衝撃波を当てる治療で、EDに対する新しい選択肢として紹介されることがあります。ただし、国内での位置づけは慎重に確認する必要があります。

本記事の執筆時点では、国内での承認状況、保険適用の有無、推奨度について確認できる一次情報を特定できていません。したがって、改善の程度をここで示すことはできません。案内を受けた場合は、自由診療であるかどうか、使用される機器が国内で承認されたものかどうか、費用と主なリスクを含めて説明を求めてください。

EDの診療で行われる検査

原因を調べる目的で、問診と検査が行われます。内容は医療機関によって異なりますが、代表的な流れを知っておくと受診のハードルが下がります。

確認されること 目的
問診票による症状の確認 症状の程度や始まった時期を把握する
既往歴・服用中の薬の確認 背景の病気や薬の影響を調べる
血液検査 血糖、脂質、ホルモンなど全身の状態を確認する
血圧・身体所見の確認 心血管系の状態や治療の可否を判断する

どの検査を行うかは症状や年齢、持病によって変わります。すべての医療機関で同じ検査が行われるわけではありません。

バイアグラ錠の電子添文にも、投与に際しては勃起不全およびその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定することと記載されています。薬を受け取るだけの受診ではなく、原因を確認する場でもあると考えてください。

検査を受けることには、薬を使えるかどうかを判断するという目的もあります。ED治療薬には心血管系の状態によって使用できない場合があり、併用してはいけない薬も定められています。原因を調べる過程は、安全に治療を進めるための確認でもあります。

受診の際は、服用中の薬をお薬手帳などで正確に伝え、健康診断の結果があれば持参してください。血糖や血圧、脂質の数値は、原因を考えるうえで手がかりになります。症状が始まった時期と、その前後の生活の変化も合わせて整理しておくと相談が進みます。

EDの根本治療の受診先と受診を検討したい目安

原因を調べるところから始めたい場合、基本の受診先は泌尿器科です。日本泌尿器科学会の解説でも、早めに泌尿器科を受診するよう勧められています。

同学会の解説では、心血管疾患を発症する前にEDが自覚されることが多い点も指摘されています。EDが他の病気に気づくきっかけになりうるという意味で、症状が続くときに相談する価値があります。

ED治療に関するよくある質問

EDの根本治療について寄せられることの多い疑問をまとめました。個別の判断は診察が前提となります。

Q.EDは自力で治せますか?

A.禁煙、体重管理、運動などの見直しは役立つ場合がありますが、それだけで解消するとは限りません。背景に持病や薬の影響がある場合もあります。症状が繰り返す、不安や生活への影響がある場合は、数か月待たずに泌尿器科へ相談してください。

Q.EDは他の病気のサインになりますか?

A.日本泌尿器科学会の解説では、心血管疾患を発症する前にEDが自覚されることが多いとされています。また、高血圧や糖尿病、高脂血症の患者にEDがみられる割合も示されています。EDだけで特定の病気があると判断はできませんが、全身の状態を確認するきっかけにはなります。

まとめ

EDについて「これを行えば解消する」という単一の根本治療は確立していません。実際に行われているのは、糖尿病や高血圧などの病気、服用中の薬、生活習慣、心理的な要因といった原因に働きかける対処です。
見落とされやすいのは、ED治療薬の位置づけです。服用したときに勃起を助ける薬であり、原因そのものを取り除く薬ではありません。役割が違うだけで、原因への対処と併用してよいものです。また、原因が一つとは限らない点も押さえておきたいところです。
日本泌尿器科学会は、EDを自覚したら早めに泌尿器科を受診するよう勧めています。心血管疾患の前にEDが自覚されることも多いとされます。症状が続く場合は、原因を調べる目的で医師に相談してください。

参考・出典

日本泌尿器科学会 勃起障害(ED) https://www.urol.or.jp/public/symptom/15.html

PMDA バイアグラ錠 電子添文 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/671450_2590018F1020_1_05

PMDA シアリス錠 電子添文 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/530263_2590016F5026_1_05