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ダーマペンとフラクショナルレーザーの違いは?仕組み・回数・費用を比較

ダーマペンとフラクショナルレーザーは、どちらもニキビ跡の治療として挙げられることが多く、名前だけでは違いが分かりにくい施術です。

この記事では、肌への働きかけ方、向いている跡のタイプ、ダウンタイムや回数、費用の考え方を整理します。

どちらが優れているかではなく、跡の状態と生活に合わせて選ぶための材料としてお読みください。

この記事の要約

ダーマペンとフラクショナルレーザーの違い

2つの施術の最も大きな違いは、肌に変化を起こすきっかけの作り方です。

ダーマペンは極細の針で物理的に微細な穴を開け、フラクショナルレーザーは点状の光エネルギーで熱を加えます。

この原理の差が、向いている跡のタイプやダウンタイムの違いにつながります。

肌に働きかける方法の違い

針で穴を開けるか、熱を加えるかによって、肌に生じる反応と回復の経過が変わります。どちらも皮膚に意図的に小さな傷をつくり、その修復の過程を利用する点は共通しています。

比較の観点 ダーマペン フラクショナルレーザー
肌への働きかけ 極細の針で微細な穴を開ける 点状の光エネルギーで熱を加える
深さの調整方法 針の長さで調整する 波長と出力で調整する
熱による影響 熱は加えない 熱による反応が生じる
施術直後の見え方 点状の赤みと軽い出血 点状の赤みとほてり

同じ名称の施術でも、使用する機器や設定によって反応の強さは変わります。表は考え方の整理です。

向いているニキビ跡のタイプの違い

陥凹したニキビ跡は、形や深さが1つの顔の中でも混在していることが多く、どちらか一方だけで対応できるとは限りません。

日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023は、痤瘡の瘢痕を陥凹(萎縮性瘢痕)、隆起(肥厚性瘢痕とケロイド)、色素沈着に分けて整理しています。

同ガイドラインは、現時点で萎縮性瘢痕に推奨できる治療法はないとしたうえで、痤瘡瘢痕へのレーザー治療の推奨度をC2としています。施術を選ぶときは、どの跡に対して何を目的に行うのかを診察で確認することが前提になります。

跡の状態 治療を考えるときの視点
陥凹(萎縮性瘢痕) 深さと形が混在しやすく、どちらの施術でも1回では区切りがつきにくい
隆起(肥厚性瘢痕・ケロイド) 陥凹とは方針が異なり、施術によっては悪化させ得るため可否の確認が必要
色素沈着 紫外線対策や外用薬など、別のアプローチが併せて検討される
炎症が残るニキビ 跡の治療の前に、活動性のニキビを抑える治療が優先されることがある

実際には複数の状態が重なっていることが多く、見た目だけで種類を判断するのは簡単ではありません。

ダウンタイム・回数・費用の違い

回数や費用は、跡の範囲、深さ、使用する機器、麻酔やアフターケアの有無で変わります。

次の表は比較するときの観点を整理したもので、具体的な回数や金額を示すものではありません。

比較の観点 確認しておきたいこと
ダウンタイム 赤みやかさぶたが落ち着くまでの日数と、その間の生活上の制限
施術の間隔 肌の回復を待つために必要な間隔と、通院できる頻度が合うか
必要な回数 跡の種類と範囲に対して、何回を1つの区切りとして計画するか
総額 1回の料金だけでなく、麻酔、外用薬、アフターケアを含めた合計

そもそもダーマペンとは

ダーマペンは、マイクロニードリングと呼ばれる治療分類に含まれる機器の名称です。

極細の針で皮膚に微細な穴を開け、その修復の過程を利用します。国内での機器の承認状況は製品ごとに異なるため、受診先で使用機器を確認してください。

極細針で穴を開ける仕組み

先端に並んだ極細の針が皮膚へ垂直に出入りし、目には見えない小さな穴をつくります。

針の長さを変えることで、働きかける深さを調整します。熱を使わないため熱による反応は起こりませんが、点状の出血や赤みは生じます。

施術中の痛みを抑えるために、麻酔クリームなどが使われることがあります。麻酔にも適応と副作用があるため、使用するかどうかは診察で判断されます。

期待できる変化と限界

マイクロニードリング単独療法を対象としたシステマティックレビュー・メタアナリシス(Aesthetic Plast Surg 2022)では、無作為化比較試験12件、414人が解析されました。

高周波を併用しないマイクロニードリングでは瘢痕の客観的な評価で有意な改善が示された一方、患者本人の満足度では他の治療との間に有意差が示されなかった項目が多いと報告されています。

陥凹性ニキビ跡を対象としたネットワークメタアナリシス(Arch Dermatol Res 2024)では、24件・1,546人の解析から、マイクロニードリング単独よりもケミカルピーリングなどと組み合わせた方が良好な結果だったと報告されています。いずれも海外の研究が中心で、国内で一律の回数や結果を示すものではありません。

そもそもフラクショナルレーザーとは

フラクショナルレーザーは、肌全体ではなく点状にレーザーを照射する方式の総称です。

CO2レーザーやエルビウム系など波長の異なる機器があり、作用する深さや肌の反応が変わります。機器名を確かめずに、一律の効果や経過を当てはめることはできません。

点状に熱を加える仕組み

照射した部分の周囲に照射しない部分を残すことで、皮膚全体を一度に処理する方法よりも回復を進めやすくするという考え方です。点状に熱が加わるため、施術後には赤み、ほてり、かさぶたなどが生じます。

照射の密度や出力によって、肌に加わる負担と回復までの日数は変わります。同じ機器でも設定が違えば経過は異なるため、施術の計画は診察で決めます。

期待できる変化とエビデンス上の注意

フラクショナルCO2レーザーを対象としたメタアナリシス(Dermatol Ther 2021)では、8件の研究を解析した結果、CO2レーザーと非CO2レーザーとの間に、医師による評価、患者による評価、炎症後色素沈着の発生のいずれでも有意差は認められなかったと報告されています。

この報告は、機器の種類だけで結果が決まるわけではないことを示しています。尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023でも、痤瘡瘢痕へのレーザー治療は推奨度C2とされ、国内での検討が十分でないことと保険適用がないことが理由に挙げられています。

ダーマペンとフラクショナルレーザーは何を基準に選ぶ?

どちらを選ぶかは、機器の知名度ではなく、跡の種類、確保できるダウンタイム、肌の状態、費用の4点で整理すると考えやすくなります。いずれも自分だけで判断せず、診察で跡の状態を確認したうえで決めます。

この4点は互いに関係しています。たとえば、深い陥凹に対して強い設定を選べばダウンタイムは長くなり、通院の間隔も空きます。生活の都合を先に伝えたうえで、実行できる計画を相談してください。

副作用・リスクとダウンタイム

どちらの施術にも、皮膚へ意図的に傷や熱を加えることに伴う反応があります。次のような症状が起こることがあります。

経過の日数は機器と設定、肌の状態によって変わります。症状が長引くときや強くなるときは、自己判断で様子を見ず、施術を受けた医療機関へ連絡してください。

施術を受けられない可能性があるケース

次のような場合は、施術を延期したり別の治療を検討したりすることがあります。当てはまるかどうかの最終的な判断は診察で行われます。

当てはまらない場合でも、その日の肌の状態によって設定を変えたり延期したりすることがあります。

施術前後の注意点

施術の前後は、肌への刺激を減らす期間として考えます。医療機関から個別の指示がある場合は、そちらが優先されます。

再開時期の目安は術式と機器によって変わります。一般的な日数をそのまま自分に当てはめず、施術ごとに確認してください。

費用と回数の目安

どちらの施術も自由診療で、費用は全額自己負担です。1回あたりの料金だけで比べると、実際の負担と離れてしまうことがあります。

確認しておきたいのは、想定される回数、1回ごとの間隔、麻酔や外用薬などの追加費用、途中で治療方針を変えた場合の扱いです。

必要な回数は跡の状態によって変わるため、あらかじめ決まった回数で一定の結果が得られるとは限りません。

回数券やコース契約を検討する場合は、途中で施術内容を変更したいときや、肌の状態から施術を続けられなくなったときにどう扱われるかも、契約の前に確かめておくと判断しやすくなります。

ダーマペンとフラクショナルレーザーに関するよくある質問

本文で触れきれなかった点を整理します。実際の可否は肌の状態によって変わるため、診察での確認が前提です。

ダーマペンとフラクショナルレーザーは併用できますか?

同じ日に両方を行うか、時期をずらして組み合わせるかは、肌の状態と回復の経過によって判断されます。

前述のネットワークメタアナリシスでも、マイクロニードリングと他の治療を組み合わせた方が良好だったと報告されていますが、組み合わせの内容は研究ごとに異なります。

自己判断で短い間隔で受けると、肌への負担が重なることがあります。

どちらの方が痛みは強いですか?

痛みの感じ方には個人差と部位差があり、どちらが強いかを一律に示すことはできません。

針の長さやレーザーの出力といった設定によっても変わります。痛みが不安な場合は、麻酔の選択肢と、その適応や副作用について事前に相談してください。

まとめ

ダーマペンとフラクショナルレーザーは、極細の針で微細な穴を開けるか、点状に熱を加えるかという原理が異なり、どちらが優れているという関係ではありません。跡の種類や深さ、確保できるダウンタイムによって、向いている施術は変わります。
見落としやすいのは、機器の名称や新しさだけで結果が決まるわけではない点です。フラクショナルCO2レーザーのメタアナリシスでは、非CO2レーザーとの間に有意差が認められなかったと報告されています。自由診療のため、1回の料金ではなく回数や追加費用を含めた総額で考えます。
陥凹した跡は複数の形が混ざっていることが多く、自分で見分けるのは簡単ではありません。診察で跡の状態を確認し、副作用や通院の負担も含めて相談してください。

参考・出典

日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023_230820.pdf

マイクロニードリング単独療法のシステマティックレビュー・メタアナリシス(Aesthetic Plast Surg 2022) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35426044/

陥凹性ニキビ跡治療のネットワークメタアナリシス(Arch Dermatol Res 2024) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39110247/

フラクショナルCO2レーザーのメタアナリシス(Dermatol Ther 2021) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33190373/