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メンズのニキビ治療とは?男性に多い原因と保険・自由診療の選択肢

ニキビの治療というと美容目的の施術を思い浮かべる方もいますが、実際には健康保険が使える治療から自由診療の施術まで幅があります。

男性の場合、ヒゲ剃りなど日常の習慣が関わることもあり、その点も含めて考える必要があります。

この記事では、治療の選び方に関わるニキビの種類、保険診療で受けられる治療、自由診療の選択肢、副作用や受診の目安を整理します。

この記事の要約

男性のニキビ治療で最初に押さえたいこと

ニキビは医学的には尋常性痤瘡という皮膚の病気です。炎症のあるニキビや面皰(毛穴に皮脂がたまった状態)であれば、まず保険診療で対応できる場合があります。

一方、炎症が治まったあとに残る跡については、自由診療で行われる施術の範囲が広くなります。つまり「ニキビ治療」と一言でいっても、今あるニキビを抑える治療と、残った跡に対する治療は別のものとして考える必要があります。

また、年齢や性別によって治療が受けられなくなるわけではありません。成人男性であっても、皮膚科での診察と治療の対象になります。市販薬で様子を見る期間が長くなっている場合は、一度診察を受けて状態を確認してもらうところから始めてみてください。

男性に多いニキビの特徴

ここでは、治療の選び方に関わる範囲だけを整理します。原因の詳しい仕組みは「男性のニキビの原因」、大人になってから繰り返すニキビについては「男性の大人ニキビ」の記事で解説しています。

なお、男性のニキビを「男性ホルモンのせい」と一言で片づけることはできません。皮脂の分泌、毛穴のつまり、細菌の増殖など複数の要素が関わるとされており、日常の刺激も加わります。原因を一つに決めつけると、必要な治療を見落とすことがあります。

治療という観点で押さえておきたいのは、性別によって処方できる薬が変わるわけではないという点です。選択を左右するのは、面皰が中心なのか、赤く炎症を起こしたニキビが多いのか、すでに跡が残り始めているのかという状態のほうです。まずは、その区別から確認していきましょう。

治療方針に関わるニキビの種類

治療を選ぶうえで重要なのは、今の状態がどの段階にあるかです。おおまかには次のように分けられます。

状態 見え方の目安 治療で意識される点
面皰 白または黒い小さな盛り上がり 毛穴のつまりに働く外用薬が中心になる
炎症性皮疹 赤く盛り上がり、痛みを伴うことがある 炎症を抑える治療が加わる
膿疱 先端に膿が見える 炎症が強い状態として扱われる
赤み、色素沈着、へこみなどが残る 活動性のニキビとは別に検討する

見た目が似ていても状態が違うことがあります。ここで自己診断を確定させず、診察で確認してください。

日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023では、炎症性皮疹の数によって重症度を分けています。片側の顔に炎症性皮疹が5個以下であれば軽症、6個以上20個以下で中等症、21個以上50個以下で重症、51個以上で最重症という区分です。この重症度によって、外用薬だけで進めるのか、内服薬を組み合わせるのかが変わります。

この区分は医師が診察して判断するもので、鏡を見て自分で確定できるものではありません。ただ、赤いニキビの数が多いほど治療の組み立てが変わるという点を知っておくと、受診の判断はしやすくなります。数が少なくても、痛みやしこりを伴う場合は炎症が深い可能性があります。

ヒゲ剃りなど男性に多い刺激要因

毎日のヒゲ剃りは、皮膚に繰り返し摩擦が加わる行為です。刃の状態や剃り方によって刺激の強さが変わり、炎症のあるニキビの上を剃ってしまうと、そこから悪化することもあります。

ただし、ヒゲ剃りをしている男性が全員ニキビになるわけではありません。あくまで刺激が加わる要因の一つとして捉え、ほかの要素とあわせて考えることが大切です。

そのほか、マスクやヘルメットによる摩擦、汗をかいたまま長時間過ごすこと、整髪料が肌に触れることなども、部位によっては刺激になり得ます。心当たりがある場合は、診察のときに伝えておくと治療の参考になります。

保険診療で受けられるメンズニキビ治療

前述のガイドラインでは、外用薬と内服薬による治療が中心に位置づけられています。ここでは主な薬剤と、それぞれで知っておきたい点を整理します。

外用薬

塗り薬は治療の基本になります。ガイドラインでは、次の薬剤が炎症性皮疹や面皰に対して推奨度Aとされています。

使い始めに、乾燥、皮むけ、ヒリつき、赤みといった刺激症状が出ることがあります。ここで自己判断してやめてしまう方が少なくありませんが、使い方の調整で対応できることもあります。つらいと感じたら、中断する前に医師へ相談してください。

また、薬剤ごとに使えない条件があります。アダパレンは妊娠中の方には使用できません。過酸化ベンゾイルには漂白作用があり、衣類や寝具、毛髪の色が抜けることがあるため、塗ったあとの扱いに注意が必要です。なお、外用抗菌薬は炎症性皮疹に対しては推奨度Aですが、面皰だけの状態には推奨されていません。

外用薬は、気になるニキビの上だけに点で塗るのではなく、出やすい範囲に広げて塗るよう指示されることがあります。目に見えていない毛穴のつまりにも働かせるためです。塗り方によって効き方も刺激の出方も変わるため、最初の説明どおりに続けてみてください。

ヒゲ剃りをする男性の場合、剃った直後の皮膚は刺激を受けやすい状態です。外用薬を塗るタイミングをどうするかは、剃る時間帯との兼ね合いで変わります。使いにくさを感じたら、生活のリズムを伝えたうえで相談してみてください。

内服薬

炎症が強い場合には、飲み薬が組み合わされることがあります。ガイドラインでは、炎症性皮疹に対する内服抗菌薬が推奨されており、薬剤ごとに推奨度が示されています。

同時に注意されているのが、薬剤耐性の問題です。抗菌薬を長期にわたって漫然と使い続けると、薬が効きにくい菌が増える懸念があります。ガイドラインでも、抗菌薬の長期連用を避けることが課題として挙げられています。飲み薬は、炎症が落ち着いた段階で見直されるものだと理解しておきましょう。

そのほか、炎症を伴う囊腫に対してはステロイドの局所注射が検討されることがあります。一方で、炎症性皮疹に対するステロイドの外用は推奨されていません。似た薬でも、使う場所と方法によって位置づけが変わります。

内服薬は、外用薬の代わりではなく組み合わせて使われるのが基本です。飲み薬を始めたからといって塗り薬をやめてよいわけではありません。飲み薬をやめた後に再発を防ぐ役割は、外用薬が担うことになります。

また、以前に処方された薬が手元に残っていても、自己判断で飲み始めることは避けてください。抗菌薬は中途半端な使い方をすると耐性の問題につながります。症状が戻ったと感じたら、まず受診して状態を確認してもらいましょう。

炎症が落ち着いた後の維持療法

ニキビの治療は、赤みが引いた時点で終わりではありません。ガイドラインでは、炎症が軽快したあとの状態を保つために治療を続ける維持療法という考え方が示されています。

維持療法では、アダパレン、過酸化ベンゾイル、その配合ゲルの使用が推奨度Aとされています。目に見えない微小な面皰に働きかけることで、再発を抑えることが目的です。

どのくらいの期間続けるかは、症状や経過によって変わります。あらかじめ一律に決まるものではないため、通院のたびに状態を確認しながら判断していくことになります。よくなったからと自己判断でやめると、炎症が戻って治療をやり直すことにもなりかねません。

自由診療で行われるメンズニキビ治療

保険の対象にならない施術は自由診療として行われ、費用は全額が自己負担になります。価格は医療機関ごとに決められるため、同じ名称でも金額や含まれる内容が一致するとは限りません。

治療の例 内容の概要 起こり得る症状
ケミカルピーリング 薬剤で皮膚表面の角質を取り除く 赤み、ヒリつき、乾燥、色素沈着
マイクロニードリング 細い針で皮膚に微細な傷をつける 赤み、点状出血、腫れ、感染
レーザー治療 光のエネルギーを皮膚に当てる 赤み、腫れ、かさぶた、色素沈着

必要な回数は状態や施術内容で変わります。費用は回数を含めた総額で確認してください。

ガイドラインでは、面皰に対するグリコール酸やサリチル酸マクロゴールによるピーリングが、標準治療の効果が乏しい場合や実施できない場合の選択肢の一つとして挙げられています。一方、痤瘡や痤瘡瘢痕に対するレーザー治療は、行ってもよいが推奨はしないという位置づけです。どちらについても、保険適用外であることへの配慮が求められています。

また、国内で承認されていない医薬品や、承認された効能・効果の範囲を超えた使い方が提案されることもあります。その場合も全額自己負担になります。加えて、医薬品副作用被害救済制度には給付の対象外となる条件が定められており、適正な使用でなかった場合はそこに含まれます。厚生労働省は、個人輸入した医薬品による健康被害が救済の対象にならないことも示しています。承認の状況は薬剤ごとに違うため、個別に確認してください。

費用の詳しい考え方については「ニキビ治療の値段」の記事で解説しています。

治療期間と通院の目安

ニキビの治療は短期間で完結するものではありません。皮膚が入れ替わる周期に沿って、段階的に変化していきます。

ガイドラインでは、炎症が強い急性炎症期の治療は最大3か月を目安とし、その後は状態を保つ維持期の治療へ移行する流れが示されています。ただし、これは治療の組み立て方の目安であり、何か月で治るという意味ではありません。

通院の間隔は、症状の程度や処方される薬の量によって変わります。仕事の都合で頻繁に通えない場合は、その事情を最初に伝えておくと、続けやすい形を相談しやすくなります。無理な計画を立てて途中で中断するより、続けられる間隔を決めておくほうが結果につながりやすくなります。

経過の見え方にも個人差があります。使い始めてしばらくは、もともとあったニキビが目立つように感じることもあります。数日で判断せず、次の受診まで様子を見たうえで、変化を医師に伝えるようにしてください。写真を残しておくと、前回との比較がしやすくなります。

ニキビ治療の副作用・リスクと受けられないケース

治療には、想定される症状があります。あらかじめ知っておくと、変化が出たときに落ち着いて対応しやすくなります。

また、妊娠中や授乳中の方、皮膚に感染や強い炎症がある場合、ケロイドができやすい体質の方などは、治療の選択が変わることがあります。ほかの病気で治療を受けている場合や、服薬中の薬がある場合も同様です。

服用中の薬や使用中の外用薬、サプリメントがあれば、聞かれなくても診察時に伝えてください。どの治療を選べるかは、そうした情報を踏まえた診察での判断になります。

ニキビの治療中に気をつけたいセルフケア

セルフケアは治療の代わりにはなりませんが、治療の効果を妨げない環境を整えるという意味では大切です。ガイドラインで触れられている範囲を中心に整理します。

ガイドラインでは、痤瘡患者に1日2回の洗顔を行うこと、低刺激性でノンコメドジェニックな基礎化粧品を選ぶことが選択肢の一つとして挙げられています。一方、特定の食べ物を一律に制限することは推奨されていません。食生活との関係は個々に検討するものとされています。

また、市販薬を何種類も重ねて塗ることや、自己判断でニキビを潰すことは避けてください。面皰の圧出は医療機関で行われる処置として位置づけられており、自分で行うと炎症や跡につながることがあります。

洗顔については、皮脂を落としたいという気持ちから回数を増やしたり、強くこすったりしがちです。ただ、必要な皮脂まで落とすと乾燥が進み、かえって刺激になることがあります。あぶらとり紙や洗浄力の強い洗顔料を使う場合も、量と頻度を増やしすぎないようにしましょう。

保湿についても、べたつきを嫌って省略されることがあります。ただし、外用薬を使っている間は乾燥や皮むけが出やすくなるため、治療を続けるうえでは保湿があったほうが楽になることが多いところです。使う製品に迷う場合は、受診時に相談してみてください。

ニキビ跡が気になる場合の治療

今あるニキビの治療と、治まったあとに残る跡の治療は、目的も方法も異なります。同じ通院の中で相談できますが、内容としては分けて考える必要があります。

跡には、赤み、色素沈着、皮膚がへこんだ状態、盛り上がった状態などがあり、それぞれ検討される治療が変わります。跡の治療については「ニキビ跡治療のおすすめ」の記事で詳しく解説しています。

取り組む順番としては、今できているニキビの炎症を抑えるほうが先になります。炎症が続いたまま跡への施術だけを重ねても、そこから新しい跡が生まれ続けてしまうためです。

ニキビ治療の受診を検討すべき目安

どのタイミングで受診すればよいか迷う方も多いところです。次のような状態であれば、一度診察を受けることを検討してみてください。

早めに受診したからといって必ず短期間で解決するわけではありませんが、ガイドラインでは、軽い症状でも瘢痕を残しうること、早い段階での治療によって瘢痕が予防できることを示唆するデータがあることに触れられています。跡を増やさないという意味でも、様子を見続けるより相談してみるほうが選択肢は広がります。

受診の際は、いつごろから症状が出ているか、これまでに使った市販薬や化粧品、服用中の薬、ヒゲ剃りの頻度や方法などを伝えられるようにしておくと話が早く進みます。写真を残している場合は、それも判断の材料になります。

ニキビ治療に関するよくある質問

男性のニキビ治療について、検索されることの多い質問をまとめました。

市販薬を使っても改善しない場合はどうすればよいですか?

市販薬が役に立つ場面もありますが、数週間続けても変化が乏しい場合や、赤く腫れたニキビが増えている場合は、一度診察を受けることをおすすめします。医療機関では診断のうえで、市販では扱えない薬剤を含めた選択肢を検討できます。自己判断で複数の市販薬を重ねて使うことは避けてください。

ヒゲ脱毛はニキビ治療の代わりになりますか?

ニキビ治療の代わりにはなりません。ヒゲ脱毛は毛に対する施術であり、尋常性痤瘡に対する治療として位置づけられているものではないためです。毛が減ることでヒゲ剃りの回数が変わり、皮膚への刺激が減る可能性は考えられますが、脱毛とニキビの因果関係を示す一次情報は確認できていません。炎症のあるニキビがある場合は、まず治療を優先してください。

まとめ

男性のニキビ治療は、美容目的の施術から考え始める必要はありません。炎症のあるニキビや面皰であれば、まず保険診療で対応できる場合があり、外用薬と内服薬による治療が中心に位置づけられています。年齢や性別で治療の対象から外れることもありません。
見落としやすいのは、赤みが引いた時点で治療が終わりではない点です。炎症が落ち着いたあとも状態を保つ維持療法という考え方があり、自己判断で中断すると炎症が戻ることがあります。ヒゲ剃りなど日常の刺激が関わっている場合は、治療と並行した見直しも必要です。
跡が残り始めている、市販薬を続けても変化が乏しいといった状態であれば、様子を見続けるより一度診察を受けてみてください。状態に合った治療を相談することが近道になります。

参考・出典

日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023_230820.pdf

Minds 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00827/

PMDA ディフェリンゲル0.1%(アダパレン) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2699711Q1027

PMDA ベピオゲル2.5%(過酸化ベンゾイル) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2699712Q1021

PMDA クリンダマイシンリン酸エステルゲル1%「サワイ」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2634713M1062

PMDA 救済の対象とならない場合とはどのような場合ですか https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0032.html

厚生労働省 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html